中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問40

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問40 (訂正依頼・報告はこちら)

顧客が製品やサービスに求める価値は、基本価値、便宜価値、感覚価値と観念価値の4つに分けられる。これらの価値に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • すべての価値を一度に高められない場合、基本価値のレベルにかかわらず、ターゲットに応じて他の価値のいずれかを強化することが得策である。
  • 製品やサービスが顧客にもたらす基本価値や便宜価値は、普遍性や安定性が高く、顧客は価値を理解しやすい。したがって、顧客の満足を得るために企業担当者は、常に、機能を増やし、効用を高め続けることを強いられている。
  • 製品やサービスの感覚価値は、顧客の客観的な優劣判断を困難にする。そのため、この価値を高めることで、企業は一般的に価格競争に巻き込まれやすくなる。
  • 入手の難しい高価なブランドにおいては、観念価値の作用する割合が大きく、ブランドの歴史や物語などの訴求を通じて、ブランドの高い価値を支えている。

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この過去問の解説 (2件)

01

項番1:不適切です。
基本価値は、製品やサービスに求められる基本的な機能などを指します。その他の価値レベルが高くても基本価値が低ければその製品やサービスは選ばれにくくなります。

項番2:不適切です。
基本的価値や便宜的価値が一定レベルを超えた場合、顧客は価値を理解しにくくなります。そのため顧客の満足を得るためには機能を増やし、効用を高め続けることが強いられるわけではありません。
例えば、テレビ商品も4Kなど各メーカーが画質の良さを争っていますが、ほとんどの消費者はその違いを理解できません。

項番3:不適切です。
前半の記述は正しいです。しかし、後半の記述が誤りです。感覚価値が高まることによって顧客は客観的な優劣判断が困難になるため、企業は一般的に価格競争に巻き込まれにくくなります。

項番4:適切です。
記述の通りです。世間で出回っている高級ブランド等はこの観念価値が高いものがほとんどです。

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02

正解は、「入手の難しい高価なブランドにおいては、観念価値の作用する割合が大きく、ブランドの歴史や物語などの訴求を通じて、ブランドの高い価値を支えている。」です。

【基礎知識】

製品、サービスにおける4つの価値についての問題です。

① 基本価値:製品として成り立つための基本的な価値。

 時計→正確な時間、スマホ→通話ができ、ネットへの接続ができるなど。

② 便宜価値:消費者に便宜性をもたらすような価値。

 買いやすいとか掃除機のコード→コードレスにするなど。

③ 感覚価値:楽しさ、ビジュアルなどに訴えかけ、楽しさを与える価値。

 ロゴやパッケージなど。

④ 観念価値:購買意欲を掻き立てる等といった品質・機能以外のストーリーを付加する価値。

 キャラクターがCMでカッコよく振る舞う、商品の誕生秘話など。

このうち、①と②が基本的な商品としての価値で、③と④は付加価値・ブランド価値となります。

選択肢1. すべての価値を一度に高められない場合、基本価値のレベルにかかわらず、ターゲットに応じて他の価値のいずれかを強化することが得策である。

誤り。まずは基本価値を高める必要があります。

選択肢2. 製品やサービスが顧客にもたらす基本価値や便宜価値は、普遍性や安定性が高く、顧客は価値を理解しやすい。したがって、顧客の満足を得るために企業担当者は、常に、機能を増やし、効用を高め続けることを強いられている。

誤り。基本価値、便宜価値を高めていくことは重要ですが、さらに満足度を高めていくためには間隔価値や概念価値を高めていく必要があります。

選択肢3. 製品やサービスの感覚価値は、顧客の客観的な優劣判断を困難にする。そのため、この価値を高めることで、企業は一般的に価格競争に巻き込まれやすくなる。

誤り。感覚価値、概念価値はブランドの価値につながります。ブランドは非価格競争のための戦略でもあります。

選択肢4. 入手の難しい高価なブランドにおいては、観念価値の作用する割合が大きく、ブランドの歴史や物語などの訴求を通じて、ブランドの高い価値を支えている。

正しい。記載の通りです。

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