中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
経営法務 問19
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 平成28年度(2016年) 問19 (訂正依頼・報告はこちら)
共有に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 共同相続された金融商品のうち、株式は共同相続人らの共有となるが、委託者指図型投資信託の受益権は相続分に応じて分割債権として各共同相続人に単独で承継取得される。
- 共有に係る商標権の共有者は、他の共有者の同意を得なくてもその持分を譲渡することができるが、その商標権に係る通常使用権を他人に許諾することについては、共有者の持分価格の過半数によって決する必要がある。
- 共有不動産の共有者の1人の持分を競売により取得した買受人は、他の共有者との間で協議が調わなければ、その共有不動産全部について単独で所有権を取得することができない。
- 不動産の共有者の1人は、共有不動産について全く実体上の権利を有しないのに持分移転登記を経由している者に対し、単独でその持分移転登記の抹消登記手続を請求することができる。
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この過去問の解説 (2件)
01
【正解4】
[1]不適切
委託者指図型投資信託の受益権が共同相続された場合、分割債権として各共同相続人に単独で承継取得されないため、共同相続人は自己の相続分に相当する金員の支払を請求することができません。
[2]不適切
商標権が共有である場合、各共有者は他の共有者の同意がなければその持分を譲渡することはできません。
[3]不適切
共有不動産の共有者の1人の持分を競売により取得した買受人は、他の共有者との間で協議が調わない場合、その分割を裁判所に請求することが可能です。
[4]適切
持分移転登記の抹消登記手続きの請求は、単独で行うことが可能です。
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02
共有に関する問題ですが、相続や知的財産権等の知識も問う複合的な問題となっております。「委託者指図型投資信託」という証券用語が含まれる選択肢もあり、難易度はかなり高いと思われます。
委託者指図型投資信託の受益権の相続については、「相続開始と同時に当然に相続分に応じて分割されることはない」という最高裁判所の見解が示されています。
つまり、「各共同相続人に単独で承継取得されない」という結論になります。
共有に係る商標権の共有者は、他の共有者の同意を得なくてもその持分を譲渡することはできません。(共有者全員の同意が必要になります)
原則的には正しい記述ですが、買受人は他の共有者との間で協議が調わない場合、その分割を裁判所に請求することが可能です。
正解の選択肢となります。
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