中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
経済学・経済政策 問14

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成29年度(2017年) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

無差別曲線は、一般に、原点に対して凸型をした右下がりの曲線である。しかしながら、その形状は消費者の好みなどによって変わることがある。下図のような形状の無差別曲線に関する記述として、最も適切なものを下記の解答群から選べ。
問題文の画像
  • Aさんは、喫茶店でコーヒーを1杯飲むとき、必ず角砂糖を1個だけ入れる。このとき、X財をコーヒー、Y財を角砂糖とした場合の無差別曲線は図のようになる。
  • Bさんは、発泡酒が大好きであるが、どのブランドでもよいと思っている。このとき、ある2つのブランドの発泡酒をX財、Y財とした場合の無差別曲線は図のようになる。
  • Cさんは、ゴルフに興味があり、野球には興味がない。このとき、X財をゴルフの観戦チケット、Y財を野球の観戦チケットとした場合の無差別曲線は図のようになる。
  • Dさんは、その日の気分により、お昼におにぎりとパンのどちらかを選んで購入する。このとき、X財をおにぎり、Y財をパンとした場合の無差別曲線は図のようになる。

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この過去問の解説 (2件)

01

1:コーヒーと角砂糖の関係は1:1の関係になり、
無差別曲線はL字型になるため誤りです。

2:X財とY財のいずれかによって数を満たせばよいという考え方であれば、
右下がりのグラフになるため誤りです。

3:適切です。
興味のあるゴルフの観戦チケット(X財)が増えたときのみ効用が増加しています。

4:X財とY財のいずれかによって数を満たせばよいという考え方であれば、
右下がりのグラフになるため誤りです。

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02

無差別曲線についての問題です。

無差別曲線とは二つの財の組み合わせが、その人にとって同じ効用となる点の集まりを表した曲線です。

本問の垂直になっている無差別曲線は、X財の消費のみで効用が変わり、Y財の消費は効用に影響しないことを表しています。

上記をふまえて各選択肢をみていきます。

選択肢1. Aさんは、喫茶店でコーヒーを1杯飲むとき、必ず角砂糖を1個だけ入れる。このとき、X財をコーヒー、Y財を角砂糖とした場合の無差別曲線は図のようになる。

選択肢の文を読み解くと、コーヒーと角砂糖をセットで消費することで効用を得られるということになります。

このような財の関係を完全補完財と呼び、無差別曲線はL字型になるため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. Bさんは、発泡酒が大好きであるが、どのブランドでもよいと思っている。このとき、ある2つのブランドの発泡酒をX財、Y財とした場合の無差別曲線は図のようになる。

どちらの財を選んでも効用が同じ時に描く無差別曲線は、原点に対して凸型をした右下がりの曲線となるため、本選択肢は不正解です。

選択肢3. Cさんは、ゴルフに興味があり、野球には興味がない。このとき、X財をゴルフの観戦チケット、Y財を野球の観戦チケットとした場合の無差別曲線は図のようになる。

ゴルフに興味あって、野球に興味がないということは、X財の消費のみが効用に影響するため、無差別曲線は垂直を描きます。

そのため本選択肢が正解です。

選択肢4. Dさんは、その日の気分により、お昼におにぎりとパンのどちらかを選んで購入する。このとき、X財をおにぎり、Y財をパンとした場合の無差別曲線は図のようになる。

選択肢の文章を読み解くと、おにぎりとパンのどちらを消費しても効用を得ることができて、おにぎりを購入する日はパンは購入せず、パンを購入する日はおにぎりを購入しないことになります。

このような関係の財は完全代替材と呼び、無差別曲線は右下がりの直線になるため、本選択肢は不正解です。

まとめ

無差別曲線は出題される頻度が高い論点ですが、通常は右下がりの曲線を描きます。

本問で問われているのは珍しい形状ですが、垂直以外にも右下がりの曲線ではない無差別曲線は存在します。

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