中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
経済学・経済政策 問24

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成29年度(2017年) 問24 (訂正依頼・報告はこちら)

技術革新およびその奨励政策に関する理論的記述として、最も適切なものはどれか。
  • 新しいビジネスモデルのようなアイデアの限界費用がゼロであるとする。このとき、競争市場においては、効率性の観点から判断すると、社会に対して無償で提供されるのが望ましい。
  • 企業の生産設備は、償却可能資産であり、経年減価する。したがって、競争市場においては、法人税で加速度償却を認めることに企業の設備投資を促す効果はない。
  • 基礎研究は、社会に大きな利益をもたらすとき、外部経済効果を有することになる。したがって、競争市場においては、基礎研究への政府による補助金は企業に基礎研究への取り組みを促す効果を期待できない。
  • 研究開発費が固定費用であるとき、研究開発に多額の費用を要する企業は多額のサンクコストを抱えることになる。したがって、競争市場においては、政府が研究開発費に補助金を支給したとしても、新規企業の参入による研究開発の促進は期待できない。

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この過去問の解説 (2件)

01

1:適切です。
限界費用とは、生産量を増加させたときに増加する費用を言います。
これが0なのであれば、無償提供が望ましいと言えます。

2:加速度償却を認めることで償却額が大きくなり、企業にとっては節税効果が見込めます。
そのため企業は積極的に設備投資をすることが考えられるため、不適切です。

3:基礎研究への補助金は基礎研究への取り組みを促す効果を期待できるため、不適切です。

4:サンクコストを抱えるリスクがあるからこそ、補助金の支給が新規企業の参入を促すため、不適切です。

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02

技術革新およびその奨励政策に関する問題です。

選択肢1. 新しいビジネスモデルのようなアイデアの限界費用がゼロであるとする。このとき、競争市場においては、効率性の観点から判断すると、社会に対して無償で提供されるのが望ましい。

適切です。限界費用とは製品を新たに1単位作る際に発生する費用です。それが0の場合は、無償提供することが望ましいです。

選択肢2. 企業の生産設備は、償却可能資産であり、経年減価する。したがって、競争市場においては、法人税で加速度償却を認めることに企業の設備投資を促す効果はない。

不適切です。法人税で加速度償却を認めることで、利益を抑えることができ、節税効果を得られます。その場合でもキャッシュフローにはプラスの影響があるため設備投資が促されます。

選択肢3. 基礎研究は、社会に大きな利益をもたらすとき、外部経済効果を有することになる。したがって、競争市場においては、基礎研究への政府による補助金は企業に基礎研究への取り組みを促す効果を期待できない。

不適切です。競争市場においては、基礎研究への政府による補助金は企業に基礎研究への取り組みを促す効果を期待できます。

選択肢4. 研究開発費が固定費用であるとき、研究開発に多額の費用を要する企業は多額のサンクコストを抱えることになる。したがって、競争市場においては、政府が研究開発費に補助金を支給したとしても、新規企業の参入による研究開発の促進は期待できない。

不適切です。政府が研究開発費に補助金を支給すると、参入障壁が下がり新規参入がしやすくなります。

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