中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
企業経営理論 問33
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成29年度(2017年) 問33 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
長年にわたり、羽毛布団の製造小売を行ってきたY社は、近年、拡大を続ける全国チェーンのインテリア専門店に羽毛布団の顧客を奪われてしまったため、新社長のP氏は羽毛を原材料とした新製品の開発を通じて、新たな顧客を創造するという構想を練り始めている。所有する生産設備もうまく活用する形での新製品開発に向け、P氏は中小企業診断士であるQ氏から基本的な製品開発のプロセスについてアドバイスを受けている。
その結果、いくつかのコンセプト案がリストアップされた。ここから一年間を費やしてそれらからいくつかの製品を市場投入段階まで到達させることを念頭に置いて、P氏はそのための準備に取り組んでいる。P氏は、まず市場動向を把握し、競合となりうる製品・企業を特定するための作業に着手している。
文中の下線部に関する記述として、最も適切なものはどれか。
長年にわたり、羽毛布団の製造小売を行ってきたY社は、近年、拡大を続ける全国チェーンのインテリア専門店に羽毛布団の顧客を奪われてしまったため、新社長のP氏は羽毛を原材料とした新製品の開発を通じて、新たな顧客を創造するという構想を練り始めている。所有する生産設備もうまく活用する形での新製品開発に向け、P氏は中小企業診断士であるQ氏から基本的な製品開発のプロセスについてアドバイスを受けている。
その結果、いくつかのコンセプト案がリストアップされた。ここから一年間を費やしてそれらからいくつかの製品を市場投入段階まで到達させることを念頭に置いて、P氏はそのための準備に取り組んでいる。P氏は、まず市場動向を把握し、競合となりうる製品・企業を特定するための作業に着手している。
文中の下線部に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 近年では、有体の製品とそれらの使用価値を高めるための無体財を組み合わせて提供し、顧客の囲い込みを図る、レッドオーシャン戦略と呼ばれるアプローチが顕著になっている。
- 新製品を開発する際には、製品系列のラインの幅と奥行きの全体的な構成のバランスを保つ必要がある。そのための一連の分析をクロスセル分析という。
- 幅が広く、奥行きも深い製品系列を有する消費財メーカーは、それを経営資源として活用し、流通業者から有利な取引条件を引き出せる可能性をもっている。
- マーケティング指向の立場をとる企業は、いわゆるシーズ(seeds)を出発点とした新製品・新サービスの開発は行わない。
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この過去問の解説 (2件)
01
製品開発のプロセスに関する問題です。
各選択肢については、以下の通りです。
1→レッドオーシャン戦略とは、問題と違って、市場において激しい競争を展開することを言います。
2→クロスセルとは、問題と違って、商品とその商品と関連する商品を購入してもらう戦略を言います。
3→適切です。幅が広く、奥行きも深い製品系列を有する消費財メーカーはそれが経営資源となり流通業者にとっても取引のメリットが大きいため、有利な取引条件を引き出せる可能性があります。
4→シーズとは企業の技術等を指しますが、マーケティング指向であればシーズを出発点とした新製品・新サービスにニーズがあれば開発を行う可能性は十分にあります。
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02
【基礎知識】
正解は「幅が広く、奥行きも深い製品系列を有する消費財メーカーは、それを経営資源として活用し、流通業者から有利な取引条件を引き出せる可能性をもっている。」です。
製品開発のステップは以下のようになります。
① 市場機会の探求
ここでは市場に入っていけるのか、成長の余地はあるのかといったことを探求します。
特に競合相手のいない市場をブルーオーシャンといい、逆に競合の激しい市場をレッドオーシャンといいます。極力競合のいない、ブルーオーシャンを探すことになります。
② 製品コンセプトの開発
コンセプト、アイデアでは、自社の強みから開発するシーズ型、お客様ニーズから製品を考えるニーズ型があります。どちらもうまく使い、戦略を構築していく必要があります。「誰にどのようなベネフィットをあたえるか」が製品コンセプトとなります。
③ 戦略の作成・検討(マーケティング戦略等)
価格や流通、プロモーション、製品のマーケティング戦略等を検討します。
④ 試作品開発・テスト
製品のモニター、テストです。
⑤ 新製品の投入
誤り。
レッドオーシャンは競合の激しい市場です。顧客の囲い込みも困難になります。
誤り。
クロスセル分析はある商品を購入したときにどういった別の商品を同時に購入するかを分析します。
正しい。
ある製品のラインナップの充実度は他社との差別化につながります。
誤り。
シーズ、ニーズ両面から検討する必要があります。
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