中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
運営管理 問3

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成29年度(2017年) 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

製品開発・製品設計に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
  • 下流工程での問題を可能な限り上流で防止し、短い設計納期を実現するために、バリューエンジニアリングを取り入れることが有効である。
  • 試作品製作は製品開発プロセスの中でも重要な位置を占めており、試作時の製作方法や加工条件から、量産時の工程編成における重要な情報を得ることが可能である。
  • 新製品の設計段階でデザインレビューを活用する際には、設計構造の矛盾や誤りを排除することに重点がおかれるため、設計の熟練者がレビューアとなることが有効である。
  • モジュール設計の考え方を取り入れると、生産工程の合理化・簡素化が期待できるが、設計に問題が発生した場合にその影響が大きいというデメリットもある。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は1です。

製品開発・製品設計に関する問題です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→不適切です。下流工程での問題を可能な限り上流で防止し、短い設計納期を実現するのはフロントローディングです。バリューエンジニアリング価値の向上を図るものであり、設計納期と直接の関係はありません。

2→試作品製作についてです。記載の通り正しいです。

3→デザインレビュー(設計審査)についてです。記載の通り正しいです。

4→モジュール設計についてです。モジュールごとの設計であり、記載の通りデメリットもあります。

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02

【基礎知識】

正解は、「下流工程での問題を可能な限り上流で防止し、短い設計納期を実現するために、バリューエンジニアリングを取り入れることが有効である。」です。

この問題の重要な概念はバリューエンジニアリング(VE)です。

コストダウンのみを進めるわけではなく、製品の価値とコストのバランスを見て、組織的に改善を進めていく取り組みになります。

選択肢1. 下流工程での問題を可能な限り上流で防止し、短い設計納期を実現するために、バリューエンジニアリングを取り入れることが有効である。

不適切です。

記載の内容はフロントローディングのこと。設計や開発段階に負荷をかけ、後工程を効率的に進める取り組みです。設計者等への負荷が高まります。

選択肢2. 試作品製作は製品開発プロセスの中でも重要な位置を占めており、試作時の製作方法や加工条件から、量産時の工程編成における重要な情報を得ることが可能である。

適切です。

試作品開発のメリットです。

選択肢3. 新製品の設計段階でデザインレビューを活用する際には、設計構造の矛盾や誤りを排除することに重点がおかれるため、設計の熟練者がレビューアとなることが有効である。

適切です。

デザインレビュー(DR)の記載です。1の選択肢のフロントローディングでもありましたが、設計段階の仕様がコスト等を大きく左右します。そのため、設計仕様について、複数の部門などからの目でレビューをする取り組みです。熟練者の声が生きてきます。

選択肢4. モジュール設計の考え方を取り入れると、生産工程の合理化・簡素化が期待できるが、設計に問題が発生した場合にその影響が大きいというデメリットもある。

適切です。

モジュール設計はパーツごとに切り分けて生産を考えていきます。パーツとパーツの接点部分を定義して、それ以外は各パートで進めるため、合理化、簡素化が期待できます。ただ、設計(全体の構成等)に問題があると、すべてを見直す必要が出てくるため、記載の通り影響が大きくなります

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