中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
運営管理 問8

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成29年度(2017年) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

自動生産および生産情報管理に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
  • 開発・製造・販売などの情報ネットワークを統合化するために、FAを導入することにした。
  • 複数の工作機械や搬送機器などを集中制御するために、DNCを導入することにした。
  • 部材加工や、工具管理、工場内搬送などを自動化したいので、FMSを導入することにした。
  • 部材の取り付け・取り外し、工具の選択・交換などを行う作業者を削減したいので、MCを導入することにした。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は1です。

自動生産および生産情報管理に関する問題です。

各選択肢については、以下のとおりです。

1→不適切です。FAとは、「工場における生産設備と生産行為(計画や管理含む)をシステムで統合した工場の総合的な自動化」であり工場レベルに留まるものです。開発や販売まで企業全体の情報ネットワークを統合するのはCIMです。

2→DNCは工作機械や搬送機器などを集中制御し効率を高めます。

3→FMSは部材加工や、工具管理、工場内搬送などを自動化し、多様な製品を効率的に生産し、混合生産や生産内容の変更も可能になります。

4→MCはコンピュータとATC(自動工具交換装置)で部材の取り付け・取り外しや工具の選択・交換など行いながら加工を行います。

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02

【基礎知識】

解答は「開発・製造・販売などの情報ネットワークを統合化するために、FAを導入することにした。」です。

商品を作るにあたって、様々な加工が行われます。その加工に使われる工具、機械はどんどん進歩してきました。

手作業(道工具)

→個々の工程の自動化(NC工作機械→マシニングセンタ)

→複数の工程の自動化(FMC→FMS)

→工場の自動化(FA)

→企業システム全体の自動化(CIM)

特にNC工作機械は、1950年代に出現し、それまで手作業だった工程を自動化させ、大幅に効率を向上させました。NCとは、Number Controlのことで、5㎜の穴をあけるなど数値で制御することです。

複数台のNCを中央のコンピューターで集中的に制御を行う仕組みをDNCといいます。これはのちに出てくるFMS等の基本となりました。

このように効率化を進めたNC工作機械ですが、使う工具を手で取り換える必要がありました。

そこで、複数工具を装着し、工具の変更も自動化したものがマシニングセンタ(MC)になります。この工具の変更する装置をATC(Automatic Tool Changer:自動工具交換装置)と言います。

そして複数のMCを組み合わせ、工程を自動化したものがFMC:Flexible Manufacturing Cell(フレキシブル加工セル)といい、FMCをさらに集約したものがFMS:Flexible Manufacturing System(柔構造製造システム)となります。

そしてそれらが集約されて、更に購買やCAD、CAMなどの機能をも取り込んで、工場全体を自動化したのがFAになります。

FAは工場単位ですが、更に一歩進んだのがCIMです。CIMとは受注から製品開発、設計、生産計画、調達、製造、物流、製品納品等、生産に関わるあらゆる活動を管理・制御するシステムのことです。企業全体を自動化する内容になります。

選択肢1. 開発・製造・販売などの情報ネットワークを統合化するために、FAを導入することにした。

不適切です。

FAの対象は工場全体になります。記載のように開発なども含めて管理・制御するのはCIMです。

選択肢2. 複数の工作機械や搬送機器などを集中制御するために、DNCを導入することにした。

適切です。

DNCはNC工作機械を集中的にコンピューターで管理する仕組みです。

選択肢3. 部材加工や、工具管理、工場内搬送などを自動化したいので、FMSを導入することにした。

適切です。

工程単位での自動化はFMCですが、さらに集約したものがFMSとなります。

選択肢4. 部材の取り付け・取り外し、工具の選択・交換などを行う作業者を削減したいので、MCを導入することにした。

適切です。

NCとMCで異なるのは工具の取り換えを自動で行う点です。

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