中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
運営管理 問9

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成29年度(2017年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

かんばん方式に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
  • かんばんは、あらかじめ定められた工程間、職場間で循環的に用いられる。
  • かんばん方式を導入することにより、平準化生産が達成される。
  • 仕掛けかんばんには、品名、品番、工程名、生産指示量、完成品置場名などが記載される。
  • 引取かんばんのかんばん枚数によって、工程間における部材の総保有数を調整することができる。

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この過去問の解説 (2件)

01

【基礎知識】

解答は「かんばん方式を導入することにより、平準化生産が達成される。」です。

かんばん方式はトヨタ生産方式の一つで、トヨタ自動車が作り出した生産管理手法のことです。

トヨタ自動車では、JIT(ジャストインタイム方式)で生産を行っていますが、これを実現させるための方式の一つがかんばん方式になります。

かんばん方式は在庫等を一定に保つ仕組みであり、無駄の発生を防ぎます。ただ、そのためには生産能力や負荷等が平準化されていることが前提となります。というのは、5個の部品の生産をかんばんで指示する場合、関係するラインが一定のリードタイムで生産できないと、完成時間にバラツキが出てしまい、かんばん方式が成り立ちません。

かんばん方式ではかんばんという情報共有ツールを用いて、管理します。

例えば、上流工程が下流工程に何がどれだけいつ必要かを指示したり、下流工程がいくつ上流工程の部品を持って行ったなどを共有する必要があります。

かんばんには後工程が前工程から部品を引き取るときに使われる「引き取りかんばん」とどの製品を生産するかを指示する「仕掛けかんばん(生産指示かんばん)」の2つあります。

以上のように、情報共有ツールであるかんばんは上下工程間で行き来することになります。

かんばんの指示に従って上流工程は生産や運搬を行うことになり、需要に近いところからの情報をもとに生産しますので、作りすぎなどがなくなります。

一方、プッシュ・システムですと、例えば後工程でトラブルが発生したときも前工程は部品を作り続けてしまい、結局在庫量が増えたりしてしまいます。

JITをはじめとするプル・システムでは、こういったこともなく、小ロット化を合わせて進めて平準化生産を実現しています。

選択肢1. かんばんは、あらかじめ定められた工程間、職場間で循環的に用いられる。

正しい。

決められた工程間等を行き来するものになります。

選択肢2. かんばん方式を導入することにより、平準化生産が達成される。

誤り。

平準化生産が前提となり、達成するのは在庫を一定に保つことになります。

選択肢3. 仕掛けかんばんには、品名、品番、工程名、生産指示量、完成品置場名などが記載される。

正しい。

ネット等で一度実物を確認しておいてください。

選択肢4. 引取かんばんのかんばん枚数によって、工程間における部材の総保有数を調整することができる。

正しい。

部品が使われると引き取りかんばんが振り出され、その数の部品を前工程から運搬してくることになります。これにより工程間の部材保有数のコントロールが可能となります。

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02

正解は2です。

かんばん方式は生産指示かんばんと引取かんばんを使用し、目に見える管理を行います。管理・生産方式のうちジャストインタイム生産方式に含まれるものです。

各選択肢については、以下の通りです。

1→看板は同じ工程、職場間で循環的に用いられます(つかいまわされます)。

2→不適切です。かんばん方式は平準化生産において工程間と物の流れを同期化するものです。かんばん方式によって平準化生産が達成できるものではありません。

3→記載の通り正しいです。

4→記載の通り正しいです。

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