中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
運営管理 問10

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成29年度(2017年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

標準時間に関する記述として、最も不適切なものはどれか。
  • PTS法ではレイティングを行う必要はない。
  • 内掛け法では、正味時間に対する余裕時間の割合で余裕率を考える。
  • 主体作業時間は、正味時間と余裕時間を合わせたものである。
  • 人的余裕は、用達余裕と疲労余裕に分けられる。

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この過去問の解説 (2件)

01

【基礎知識】

解答は「内掛け法では、正味時間に対する余裕時間の割合で余裕率を考える。」です。

標準時間を設定する方法には以下のものがあります。

ストップウォッチ法:実際に作業しているところをストップウォッチで時間を図る方法です。ただし、作業者の熟練度合いにより差が出ますので、レイティング係数という補正係数をかけて標準時間を求めます。

PTS法:人の作業を基本動作に分解して積み上げる方法です。その基本動作ごとに標準時間がありますので、レイティング係数等を考える必要がありません。

標準時間資料法:作業時間のデータを分類・整理して、時間と変動要因との関係を数式、図、表などにまとめたものを用いて標準時間を設定する方法のことです。

実績資料法:過去の実績から、似た業務の時間をベースに見積もる方法です。

経験見積法:熟練者が過去の経験をもとに見積もる方法です。

標準時間には作業をする時間のみならず、準備に要する時間等もありますので、そういった時間も考慮する必要があります。

次に標準時間を考える際に、余裕時間をどう扱うかで余裕率の定義が変わります。2つあり、内掛け法、外掛け法といいます。

作業の標準時間は以下の式で求めることができます。

 標準時間 = 余裕時間 + 正味時間

内掛け法、外掛け法では余裕率の考え方が異なります。

 内掛け法の余裕率

余裕率=余裕時間/(余裕時間+正味時間)

標準時間=正味時間/(1-余裕率)

 外掛け法の余裕率

余裕率=余裕時間/正味時間

標準時間=正味時間×(1+余裕率)

 

 このように余裕時間を外と考えるか、内と考えるかで比率の求め方が変わります。ただし、標準時間は同じになります。

選択肢1. PTS法ではレイティングを行う必要はない。

正しい。

基本動作を積み上げる方式になり、基本動作の時間は標準的な時間で設定されているため、レイティング係数を考える必要はありません。

選択肢2. 内掛け法では、正味時間に対する余裕時間の割合で余裕率を考える。

誤り。

内掛けですので、余裕率=余裕時間/(余裕時間+正味時間)となります。

選択肢3. 主体作業時間は、正味時間と余裕時間を合わせたものである。

正しい。

主体作業時間は正味時間のうち、作業にあてた時間で、準備などの時間を除きます。主体作業時間の中にも正味時間と余裕時間があり、それらを足した時間となります。

選択肢4. 人的余裕は、用達余裕と疲労余裕に分けられる。

正しい。記載のとおりです。

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02

項番1:適切です。
記述の通りです。PTS法は作業を微動作レベルまで分解し、各微動作の時間を積み上げて標準時間を決定する方法です。レイティングは必要ありません。

項番2:不適切です。
選択肢で説明している方法は外掛け法です。内掛け法では正味時間と余裕時間の合計に対する余裕時間の割合で余裕率を算出します。

項番3:適切です。
記述の通りです。

項番4:適切です。
記述の通りです。

参考になった数3