中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
運営管理 問17

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成29年度(2017年) 問17 (訂正依頼・報告はこちら)

シューハート管理図に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 解析用管理図は、過去の生産実績から得られた標準値を利用して、工程を管理状態に保持する際に利用される。
  • 管理用管理図は、既に集められた観測値によって、工程が統計的管理状態にあるかどうかを評価する際に利用される。
  • 群の大きさが一定の状況下で、サンプルに生起した不適合数を用いて工程を評価する場合には、c管理図を利用する。
  • 工程能力指数は、規定された公差を工程能力で除した値として求められ、その値が小さい程、工程能力が高いことを示している。

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この過去問の解説 (2件)

01

項番1:不適切です。

記述は管理管理図の説明です。

項番2:不適切です。

記述は解析管理図の説明です。

項番3:適切です。

記述の通りです。

項番4:不適切です。

工程能力指数は、その値が大きい程、工程能力が高いことを示します。

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02

【基礎知識】

正解は「群の大きさが一定の状況下で、サンプルに生起した不適合数を用いて工程を評価する場合には、c管理図を利用する。」です。

管理図はQC7つ道具の一つで主に品質管理に用いられます。目的別に以下の2つに分かれます。(シューハート管理図となっていますが、シューハート博士が考えたもので、管理図と同義と考えていただいていいかと思います。)

・解析用管理図:ある特定期間のデータを測定し, データから工程が管理状態にあるかどうかを評価するための管理図

・管理用管理図:現在のデータを管理し、工程に異常が起きていないかを評価するための管理図。

工程において必ずバラつきが発生します。

バラつきの原因は、標準通り行ってもどうしても発生してしまう偶発原因と何らかの故障、ミスが発生して生じる異常原因に分かれます。偶発原因はどうしようもないものと整理し、管理図ではこの異常原因を探るツールになります。

平均値を中心線とし、その上下に上方管理限界線(+3σ)、下方管理限界線(-3σ)を加え、その範囲内に収まるか、データをプロットしてみていきます。

統計上、±3σに99.7%のデータが収まることになります。

目的別に分けたときに解析用管理図、管理用管理図に分かれましたが、扱うデータで分ける場合もあります。

 

・計量値:連続して変化する値、ものの長さや重量、時間等のデータ(X-R管理図など)

・計数値:飛び飛びになる値、不良品や事故発生等のデータ(P管理図、C管理図など)

どの管理図を使うのがいいのかを分別する方法を記載します。データの性質、種類、サンプル数で決まります。代表的なものを記載します。

データの性質 計量値 データの種類 平均値 サンプル数 10超  →X-R管理図

                  10未満 →X-s管理図

           不良数 サンプル数 一定   →np管理図

                  不定  →p管理図

           欠点数 サンプル数  一定  →c管理図

                  不定  →u管理図

 

ここで不良数とは不良品の個数を指し、欠点数とは不良品となったものでもネジが閉まっていない、部品が欠如しているなど欠点の数を見るものです。

選択肢1. 解析用管理図は、過去の生産実績から得られた標準値を利用して、工程を管理状態に保持する際に利用される。

誤り。

工程を管理状態に保持するのは管理用管理図になります。

選択肢2. 管理用管理図は、既に集められた観測値によって、工程が統計的管理状態にあるかどうかを評価する際に利用される。

誤り。

過去のデータを用いて解析を行うのは解析用管理図になります。

選択肢3. 群の大きさが一定の状況下で、サンプルに生起した不適合数を用いて工程を評価する場合には、c管理図を利用する。

正しい。

群が一定、不適合数=欠点数と考えられますので、c管理図になります。

選択肢4. 工程能力指数は、規定された公差を工程能力で除した値として求められ、その値が小さい程、工程能力が高いことを示している。

誤り。

定められた規格の範囲内で、製品を生産できる能力のことを工程能力といいます。工程能力指数:Cp(Process Capability)はその評価を行う指標のことを言います。

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