中小企業診断士の過去問
平成29年度(2017年)
中小企業経営・中小企業政策 問21
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 平成29年度(2017年) 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
中小企業の資金調達の多様化の1つとしてABLの利用が考えられる。ABLに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- インターネットを利用して行う不特定多数からの資金調達手法
- 企業が保有する在庫や売掛債権、機械設備等を担保とする融資手法
- 公募債以外の少数の投資家が直接引き受ける債券発行による資金調達手法
- 政府系金融機関の行う無担保無保証の融資手法
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この過去問の解説 (2件)
01
ABL(Asset Based Lending)とは、企業が保有する「在庫」や「売掛債権」、「機械設備」を担保として融資を受けることです。
これまでは不動産担保が中心でしたが、旧来の融資から脱却した方法として注目を集めています。
それぞれの選択肢を解説します。
2016年中小企業白書の第2-5-73図をみると、ABLは2012年を境に融資件数、融資金額ともに増大していることが読み取れます。
本問で出題されたクラウドファンディングも新しい資金調達方法として利用されています。
資金調達は中小企業にとっての大きな課題であるため、今後も論点になる可能性は高いです。出題された時に対応できるように学習しておきましょう。
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02
正解は2です。
ABLとは、「Asset Based Lending」の略で、企業が保有する在庫や売掛債権、機械設備等を担保とする融資手法です。これまで金融機関の融資担保は「不動産担保」が中心でした。しかし、不動産価値の下落に伴う担保価値の低下を懸念し、現在は、過度に不動産に依存しない融資が金融機関には求められています。そのため、ABLが近年推進されています。
「中小企業白書2016」によると、ABLは融資する金融機関だけでなく、企業側にもメリットがあります。例えば、事業の拡大縮小にも対応した資金調達ができ、自社の必要運転資金額に応じた借入れが可能となることです。売上増加時は、在庫や売掛債権の増加分に応じた運転資金の調達ができます。
各選択肢の解説は次のとおりです。
1→インターネットを利用して行う不特定多数からの資金調達手法はクラウドファンディングといいます。インターネットで不特定多数の人々に資金調達を呼びかけ、賛同した人から資金を調達する手法で、近年新しい資金調達の方法として注目されています。中小企業がクラウド・ファンディングを行うメリットは、金融機関から資金調達ができない場合でも資金を集めることができる点、社外に企業のPRをする機会が持てる点などが挙げられます。
3→公募債以外の少数の投資家が直接引き受ける債券発行による資金調達手法は私募債といいます。または非公募債、あるいは縁故債とも呼ばれることがあります。
4→政府系金融機関の行う無担保無保証の融資手法には日本政策金融公庫の「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」や「新創業融資制度」があります。
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