中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経済学・経済政策 問3

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成30年度(2018年) 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)がある。CIとDIによる景気判断に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • CI一致指数が上昇から低下に変わるとき、景気は谷にある。
  • CI一致指数が上昇しているとき、景気は拡張局面にある。
  • DI一致指数が50%未満から50%超へ変わるとき、景気は山にある。
  • DI一致指数が50%を下回るとき、景気は拡張局面にある。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

景気動向指数には、コンポジット・インデックス(CI)とディフュージョン・インデックス(DI)があります。

内閣府によると、CIは景気変動の大きさやテンポ(量感)を測定することを目的としています。一方で、DIは、景気拡張の動きの各経済部門への波及度合いを測定することを主な目的とします。

つまり、CIは景気指数の変化の大きさと一致します。CI一致指数が上昇している時は景気の拡張局面、低下している時は後退局面にあります。

一方DIは景気の拡張が経済活動のより多くの分野に浸透していったことを示す指標で、景気拡張局面では50%を上回り、後退局面では下回る傾向にあります。

各選択肢の解説は次の通りです。

1→誤りです。CI一致指数が上昇から低下に変わるとき、景気は谷ではなく、後退局面にあります。

2→CI一致指数が上昇しているとき、景気は拡張局面にあるため、正解です。

3→誤りです。DI一致指数が50%未満から50%超へ変わるとき、景気は山にあるのではなく、拡張局面にあります。景気が山にあるというのは、DI一致指数が50%超から50%未満に変わるときのことを指します。

4→誤りです。DI一致指数が50%を下回るとき、景気は拡張局面にあるのではなく、後退局面にあります。

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02

景気動向指数のCI (コンポジット・インデックス)DI(ディフージョン・インデックス)について基本的な知識を問う問題です。

景気動向において用いられる用語を簡単にまとめます。

好景気の最高点を景気の山と呼称します。

不景気の最低点を景気の谷と呼称します。

景気の谷から山へと上昇している期間を拡張と呼称します。

景気の山から谷へと下降している期間を後退と呼称します。

CIとは、景気変動の大きさやテンポを表す指標です。CI一致指数の変動と景気の転換点はほぼ一致しています。そのため上昇から低下に変わる時は、景気は山にあり、上昇している期間は景気の拡張局面ということになります。

DIとは、経済活動の各分野への景気の波及度合いを表す指標です。DI一致指数が50%の時を景気転換点と呼び、0%~100%に変化する中の50%の点が景気の谷にあたり、100%~0%への変化中の50%の点が景気の山に該当することになります。

上記をふまえて各選択肢をみていきます。

選択肢1. CI一致指数が上昇から低下に変わるとき、景気は谷にある。
  • CI一致指数が上昇から低下に変わる点は、景気の山であるため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. CI一致指数が上昇しているとき、景気は拡張局面にある。
  • 本選択肢が正解です。

選択肢3. DI一致指数が50%未満から50%超へ変わるとき、景気は山にある。
  • DI一致指数が50%未満から50%超に変化している時は、景気が拡大している時であり、景気の谷に該当するため、本選択肢は不正解です。

選択肢4. DI一致指数が50%を下回るとき、景気は拡張局面にある。
  • DI一致指数が50%を常に下回る時は、景気の後退局面であるため、本選択肢は不正解です。

まとめ

景気動向を表すものの中には、本問出てきた先行指数、一致指数のはかに、実際の景気から半年から1年遅れで反応する遅行指数もあります。

CIとDIは内閣府が毎月公表しているため、実際の景気動向指数を確認することも可能です。

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