中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経済学・経済政策 問8

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成30年度(2018年) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

下図は45度線図である。総需要はAD=C+I(ただし、ADは総需要、Cは消費、Iは投資)、消費はC=C0+cY(ただし、C0は基礎消費、c は限界消費性向、Y はGDP)によって表されるものとする。
この図に基づいて、下記の設問に答えよ。

均衡GDPの変化に関する記述として、最も適切なものはどれか。
問題文の画像
  • 限界消費性向が大きくなると、均衡GDPも大きくなる。
  • 限界貯蓄性向が大きくなると、均衡GDPも大きくなる。
  • 貯蓄意欲が高まると、均衡GDPも大きくなる。
  • 独立投資が増加すると、均衡GDPは小さくなる。

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この過去問の解説 (2件)

01

45度線分析に関する問題です。

45度線は総供給を、ADは総需要を表しています。

総需要はAD=C+Iで表されています。ここに消費C=C0+cYを代入すると、AD=cY+(C0+I)となります。c は限界消費性向を表しており、これは直線の傾きを示しています。C0+Iは基礎消費+投資を表しており、直線の切片を示しています。

ADと45度線が交わるE点は総需要と総供給が等しくなる点で、均衡点となります。

均衡GDPとは、この均衡点EのときのGDPの値となり、この図ではY0のことです。

各選択肢の解説は次の通りです。

選択肢1. 限界消費性向が大きくなると、均衡GDPも大きくなる。

正解です。限界消費性向とは、ADの傾きです。つまり、限界消費性向が大きくなると、ADの傾きが大きくなるため、点Eが右に移動します。つまり、均衡GDPであるY0の値も大きくなります。

選択肢2. 限界貯蓄性向が大きくなると、均衡GDPも大きくなる。

限界貯蓄性向とは、所得ないし可処分所得のうち貯蓄される割合のことです。限界貯蓄性向+限界消費性向=1という関係であるため、限界貯蓄性向が大きくなると、限界消費性向は小さくなります。限界消費性向が小さくなる=ADの傾きが小さくなり、点Eは左に移動するため均衡GDP(Y0)は小さくなります。よって誤りです。

選択肢3. 貯蓄意欲が高まると、均衡GDPも大きくなる。

誤りです。貯蓄意欲が高まると、限界貯蓄性向が大きくなります。つまり、限界消費性向が小さくなる=ADの傾きが小さくなり、点Eが左に移動するため均衡GDPは小さくなります。

選択肢4. 独立投資が増加すると、均衡GDPは小さくなる。

誤りです。独立投資が増加するとは、Iが増加するということです。C0+Iは直線ADの切片を表しているため、Iが増加すると、切片が上方シフトします。よって点Eは右に移動するため均衡GDP(Y0)の値は大きくなります。

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02

45度線図分析の問題です。

各選択肢をそれぞれ解説していきます。

選択肢1. 限界消費性向が大きくなると、均衡GDPも大きくなる。

AD = cY + ( C0 + I )

上記の式より、限界消費性向が傾きであるため値が大きくなると総需要ADが傾きが急な直線となるため、45度線との交点が上昇することで均衡GDPが大きくなります

そのため本選択肢が正解です。

選択肢2. 限界貯蓄性向が大きくなると、均衡GDPも大きくなる。

限界貯蓄性向は1-cで表すことができます。

限界貯蓄性向が大きくなるということは、限界消費性向が小さくなることになります。

その結果、総需要ADの傾きがゆるやかになることで、均衡GDPの減少を招きます

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢3. 貯蓄意欲が高まると、均衡GDPも大きくなる。

貯蓄意欲の高まりとは、限界貯蓄性向が大きくなることを意味します。

その結果、総需要ADの傾きがゆるやかになることで、均衡GDPの減少を招きます

そのため本選択肢は不正解です。

選択肢4. 独立投資が増加すると、均衡GDPは小さくなる。

AD = cY + ( C0 + I )

上記の式より、独立投資Iが増加すると総需要ADの切片がの値が大きくなるため、総需要ADは上方シフトします。

それにともない、45度線との交点も上方に移動するため均衡GDPは大きくなります

そのため本選択肢は不正解です。

まとめ

例年必ずといって良い頻度で出題される45度線図分析の問題です。

学習するときも、回答するときも式を変えたり、グラフを描いてみるなど手を動かして取り組むことが効果的です。

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