問題
総需要や総供給の変化が実質GDPに及ぼす影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解は1です。
総需要や総供給の変化が実質GDPに及ぼす影響について問われています。
AD曲線とAS曲線の交点は、生産・貨幣・労働の3つの市場が均衡する国民所得と物価水準を表しています。つまり、AD曲線、AS曲線が変化(シフト)するとそれに伴い、3つの市場が均衡する国民所得と物価水準は変化します。それぞれの曲線のシフトする要因となるものは次の通りです。
【AD曲線のシフト要因】
IS曲線やLM曲線をシフトさせる要因によりシフトします。具体的には、
ー右シフト要因ー
・政府支出の増加
・投資の増加
・名目貨幣供給量の増加
・輸出の増加
ー左シフト要因ー
・貯蓄の増加
・増税
・輸入の増加
です。
【AS曲線のシフト要因】
ー右シフト要因ー
・生産性の上昇
ー左シフト要因ー
・名目賃金率の増加
・マーク・アップ率の増加
・原材料価格の上昇
です。
各選択肢の解説は次の通りです。
1→正解です。原材料価格の上昇は、AS曲線の左方シフト要因です。AS曲線が左にシフトすると、実質GDPは縮小します。
2→誤りです。名目貨幣供給の増加は、ADの右方シフト要因であるため、実質GDPを拡大させます。
3→誤りです。名目賃金率の引き上げは、ASの左方シフト要因であるため、実質GDPを縮小させます。
4→誤りです。労働人口の増加は、生産性の上昇をもたらします。よってASの右方シフト要因であるため、実質GDPを拡大させます。
AD-AS分析に関する問題です。
各選択肢を解説していきます。
原材料価格の上昇により生産量が減少します。
その結果ASは左方シフトして実質GDPを減少させるため、本選択肢が正解です。
名目貨幣供給の増加により総需要が増加するため、ADは右方シフトします。
実質GDPは増加するため、本選択肢は不正解です。
名目賃金率の上昇により生産量が減少します。
その結果ASが左方シフトして実質GDPを減少させるため、本選択肢は不正解です。
労働人口の増加により生産量が増加します。
その結果ASが右方シフトして実質GDPを増加させるため、本選択肢は不正解です。
頻出論点であるAD-AS分析についての出題でした。
対応できるように学習しておきましょう。