中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経済学・経済政策 問10
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成30年度(2018年) 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
下図は、総需要曲線(AD)と総供給曲線(AS)を描いている。この図に基づいて、下記の設問に答えよ。
総需要や総供給の変化が実質GDPに及ぼす影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
総需要や総供給の変化が実質GDPに及ぼす影響に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 原材料価格の上昇は、ASの左方シフトを通じて実質GDPを縮小させる。
- 名目貨幣供給の増加は、ADの左方シフトを通じて実質GDPを縮小させる。
- 名目賃金率の引き上げは、ADの右方シフトを通じて実質GDPを拡大させる。
- 労働人口の増加は、ASの左方シフトを通じて実質GDPを拡大させる。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
正解は1です。
総需要や総供給の変化が実質GDPに及ぼす影響について問われています。
AD曲線とAS曲線の交点は、生産・貨幣・労働の3つの市場が均衡する国民所得と物価水準を表しています。つまり、AD曲線、AS曲線が変化(シフト)するとそれに伴い、3つの市場が均衡する国民所得と物価水準は変化します。それぞれの曲線のシフトする要因となるものは次の通りです。
【AD曲線のシフト要因】
IS曲線やLM曲線をシフトさせる要因によりシフトします。具体的には、
ー右シフト要因ー
・政府支出の増加
・投資の増加
・名目貨幣供給量の増加
・輸出の増加
ー左シフト要因ー
・貯蓄の増加
・増税
・輸入の増加
です。
【AS曲線のシフト要因】
ー右シフト要因ー
・生産性の上昇
ー左シフト要因ー
・名目賃金率の増加
・マーク・アップ率の増加
・原材料価格の上昇
です。
各選択肢の解説は次の通りです。
1→正解です。原材料価格の上昇は、AS曲線の左方シフト要因です。AS曲線が左にシフトすると、実質GDPは縮小します。
2→誤りです。名目貨幣供給の増加は、ADの右方シフト要因であるため、実質GDPを拡大させます。
3→誤りです。名目賃金率の引き上げは、ASの左方シフト要因であるため、実質GDPを縮小させます。
4→誤りです。労働人口の増加は、生産性の上昇をもたらします。よってASの右方シフト要因であるため、実質GDPを拡大させます。
参考になった数18
この解説の修正を提案する
02
AD-AS分析に関する問題です。
各選択肢を解説していきます。
原材料価格の上昇により生産量が減少します。
その結果ASは左方シフトして実質GDPを減少させるため、本選択肢が正解です。
名目貨幣供給の増加により総需要が増加するため、ADは右方シフトします。
実質GDPは増加するため、本選択肢は不正解です。
名目賃金率の上昇により生産量が減少します。
その結果ASが左方シフトして実質GDPを減少させるため、本選択肢は不正解です。
労働人口の増加により生産量が増加します。
その結果ASが右方シフトして実質GDPを増加させるため、本選択肢は不正解です。
頻出論点であるAD-AS分析についての出題でした。
対応できるように学習しておきましょう。
参考になった数1
この解説の修正を提案する
前の問題(問9)へ
平成30年度(2018年)問題一覧
次の問題(問11)へ