中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経済学・経済政策 問13

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成30年度(2018年) 問13 (訂正依頼・報告はこちら)

生産者余剰について考える。いま、A〜Eの5つの企業から構成される社会を想定する。下図では、それぞれの企業が、生産を継続するために最低限回収しなければならないと考える金額(生産物1単位当たり)が示されている。
この図に関する記述として、最も適切なものを下記から選べ。
問題文の画像
  • 市場価格が400円を上回れば、5つの企業すべてが生産を行う。
  • 市場価格が600円の場合、3つの企業は生産を行わないので、社会全体の生産量は2単位である。
  • 市場価格が1,400円の場合、社会全体の生産者余剰は1,800円である。
  • 市場価格が1,600円を上回ると、生産を行うのはEのみである。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は3です。

生産を継続するために最低限回収しなければならないと考える金額とは限界費用のことです。生産者余剰とは、生産によって得た収入から限界費用を差し引いた差額のことで、収入(市場価格)ー変動費用と一致します。

各選択肢の解説は次の通りです。

1→誤りです。A社のみが生産します。A社は400円を上回れば生産しますが、B社は800円、C社は1,200円、D社は1,600円、E社は2,000円を上回らなければ生産しません。

2→誤りです。市場価格が600円の場合、市場価格が限界費用を上回っているうのはA社のみです。よって4企業は生産しません。

3→正解です。市場価格が1,400円の場合、生産するのは、A社、B社、C社の3つです。それぞれの生産者余剰を計算すると、次の通りになります。

A社:1,400ー400=1,000円

B社:1,400ー800=600円

C社:1,400ー1,200=200円

よって合計は1,800円となり、社会全体の生産者余剰は1,800円ということになります。

4→誤りです。市場価格が1,600円を上回った場合、市場価格が限界費用を上回っているのは、A社、B社、C社、D社の4企業です。よって、E社は生産を行わず、E社以外の4つの企業が生産を行います。

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02

生産者余剰について、生産者が生産を継続するために最低限回収する金額に注目した問題です。

各生産者の最低限回収したい金額は以下のとおりです。

A:400円 B:800円 C:1,200円 D:1,600円 E:2,000円

上記をふまえて各選択肢をみていきます。

選択肢1. 市場価格が400円を上回れば、5つの企業すべてが生産を行う。
  • 市場価格が400円の場合はAしか生産を継続しないため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. 市場価格が600円の場合、3つの企業は生産を行わないので、社会全体の生産量は2単位である。
  • 市場価格が600円の場合はAしか生産を継続せずに、社会全体の生産量は1単位となるため、本選択肢は不正解です。

選択肢3. 市場価格が1,400円の場合、社会全体の生産者余剰は1,800円である。
  • 市場価格が1,400円の場合は、AとBとCが生産を継続します
  • まず各生産者の生産者余剰を計算します。

Aの余剰 1,400 - 400 = 1,000

Bの余剰 1,400 - 800 = 600

Cの余剰 1,400-1,200 = 200

社会全体の生産者余剰は、各生産者の余剰を足して求めることができます。

1,000 + 600 + 200 = 1,800

社会全体の生産者余剰は1,800円となるため、本選択肢が正解です。

選択肢4. 市場価格が1,600円を上回ると、生産を行うのはEのみである。
  • 市場価格が1,600円の場合はEだけが生産を行わないため、本選択肢は不正解です。

まとめ

各生産者が回収したい金額を把握して整理すれば比較的容易に回答できた問題でした。

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