中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経済学・経済政策 問16
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 平成30年度(2018年) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
下図は、独占企業が生産する財の需要曲線D、限界収入曲線MR、限界費用曲線MCを示している。この図に関する記述として、最も適切なものの組み合わせを下記から選べ。
a 独占企業が利潤を最大にするとき、完全競争を想定した場合と比較して、消費者余剰は減少する。
b 独占企業が利潤を最大にするとき、完全競争を想定した場合と比較して、総余剰は増加する。
c 独占企業の利潤が最大になる生産量はQ1であり、そのときの価格はP1である。
d 独占企業の利潤が最大になる生産量はQ1であり、そのときの価格はP2である。
a 独占企業が利潤を最大にするとき、完全競争を想定した場合と比較して、消費者余剰は減少する。
b 独占企業が利潤を最大にするとき、完全競争を想定した場合と比較して、総余剰は増加する。
c 独占企業の利潤が最大になる生産量はQ1であり、そのときの価格はP1である。
d 独占企業の利潤が最大になる生産量はQ1であり、そのときの価格はP2である。
- aとc
- aとd
- bとc
- bとd
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は1です。
完全競争の場合は、限界費用曲線MCと需要曲線Dの交点で価格と生産量が決まりますが、独占の場合は、限界収入曲線MRと限界費用曲線MCの交点で生産量が決まり、その際の値段は、その数量における需要曲線上の価格となります。
完全競争がもっとも総余剰が大きい状態で、独占が起こると総余剰は減少し、消費者余剰が大きく減少します。
各選択肢については、以下のとおりです。
a:正解です。
消費者余剰は減少します。競争が起こらない独占状態では、消費者がモノが欲しいとき、企業が高い値段をつけても買わざるを得ないからです。
b:誤りです。
独占企業が利潤を最大にするとき、完全競争を想定した場合と比較して、総余剰は減少します。完全競争が最も総余剰が大きい状態です。
c:正解です。
上で説明した通り、独占状態では限界収入曲線MRと限界費用曲線MCの交点で生産量が決まり、その際の値段は、その数量における需要曲線上の価格となります。
d:誤りです。
cの解説を参照してください。
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02
独占市場についての問題です。
独占市場で独占企業が利潤を最大にする条件は、限界収入MR = 限界費用MCとなることです。
つまりMRとMCの交点で利潤が最大になります。
本問で利潤が最大になる数量はQ1で、価格はP1ということになります。
上記をふまえて各選択肢をみていきます。
a: 完全競争の市場での消費者余剰は点P0とDの始点、MCとDの交点で作る三角形です。
独占市場での消費者余剰はP1とDの始点、Q1から伸ばした直線とDの交点で作る三角形です。
比較すると独占市場での消費者余剰の方が少ないため、本選択肢は正しいです。
b: 完全競争の市場での総余剰はDの始点、DとMCの交点、MCの始点で作る三角形です。
独占市場での総余剰はDの始点、Q1から伸ばした直線とDとMCのそれぞれの交点、MCの始点で作る四角形です。
Q1から伸ばした直線とDとMCのそれぞれの交点、MCとDの交点で作る三角形の分の総余剰が減少しています。そのため本選択肢は誤っています。
c: 本選択肢は正しいです。
d: 価格はP1であるため本選択肢は誤っています。
正しい選択肢の組み合わせは aとc です。
本選択肢が正解です。
独占市場では企業が価格を好きに設定できるため、消費者余剰が減少して総余剰も減少するという現象が起きます。
グラフに点を描きこんで整理すると取り組みやすい問題です。
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