中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
企業経営理論 問39
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成30年度(2018年) 問39 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
顧客リレーションシップのマネジメントにおいて、企業は、①収益性の高い優良顧客を識別し、優れた顧客価値を提供することで関係性の構築、維持、強化に努め、②ブランド・ロイヤルティなどの成果を獲得することを目指している。
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
顧客リレーションシップのマネジメントにおいて、企業は、①収益性の高い優良顧客を識別し、優れた顧客価値を提供することで関係性の構築、維持、強化に努め、②ブランド・ロイヤルティなどの成果を獲得することを目指している。
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 関係性が構築され、それがさらに維持、強化されることで、特定顧客における同一製品カテゴリーの購買全体に対して自社製品が占める割合、つまり市場シェアの拡大が見込める。
- 関係性が構築されると、同一製品を再購買する傾向である「行動的ロイヤルティ」が高まる。それはブランド・コミットメントと言い換えられる。
- 消費者は、惰性、サンクコストや所有効果により、現在利用している製品やサービスを変更しない傾向がある。こうした傾向が、真のロイヤル顧客の識別を難しくする。
- 製品やサービスの購入および利用に対してポイントを付与することにより再購入を促し、継続的な取引の維持を目指そうとする「ロイヤルティ・プログラム」は、多くの企業が採用可能な、経済効率の非常に高い施策とみなされている。
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この過去問の解説 (2件)
01
1→特定顧客における同一製品カテゴリーの購買全体に対して自社製品が占める割合は、市場シェアの拡大ではなく、顧客シェアの拡大となります。よって誤りです。
2→「行動的ロイヤルティ」が再購買の傾向を指すことは正しいですが、ブランドコミットメントは特定のブランドに対する消費者のこだわりの強さを表すものです。後者の方が大きい概念と考えられ、言い換えるのは難しいです。よって誤りです。
3→真のロイヤル顧客とは、ある企業のブランドや製品・サービスに対して高い忠誠心を持ち、定期購入や継続購入をしてくれる顧客です。惰性・サンクコストや所有効果による継続購入は高い忠誠心とは異なるため、識別を難しくします。よって正解です。
4→「ロイヤルティ・プログラム」の説明としては正しいですが、多くの企業が採用可能な、経済効率の非常に高い施策とは言えないです。企業にとってはポイント負担によりコストは発生するため、経済効率が良いとは言いにくいです。よって誤りです。
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02
ブランド・ロイヤリティなどの成果獲得に関する問題です。
不適切です。市場シェアとは、その市場に占める当該製品が占めている割合のことで、特定顧客の中での当該製品が占めている割合のことではありません。
不適切です。ブランド・コミットメントとは、そのブランドに対する愛着などの心理的距離のことです。実際に行動をとることとは異なります。
適切です。
不適切です。多くの企業が採用可能な、経済効率の非常に高い施策とは言えません。企業によってはポイント付与によるコストが財務状態をひっ迫する可能性があります。
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