問題
この工場では複数の設備を用いて製品の加工を行っており、各設備を製品ごとに直線に配置したレイアウトをとっている。最近、製品の種類が多様化してきたため加工方法が複雑になり、工程間の搬送の手間が増えてきたという問題点を抱えていた。
そこで、ものの流れに関する問題点の発見のためにPQ分析を行った。その結果が下図の[ A ]であったので、[ B ]を作成した。それに基づいて工程編成を見直し、設備のレイアウトをジョブショップ型レイアウトに変更した。
【基礎知識】
SLP (Systematic Layout Planning)の問題です。SLPとは汎用的向上レイアウトの設計手法です。
製品別レイアウトを採用していたものの、多品種化していく中でレイアウトの変更を考えているという内容になります。基本的な語句の理解があれば、回答可能な問題です。
まず、SLPについて説明します。以下の流れでレイアウトを検討していきます。
PQ分析(Product:製品とQuantity:生産数量)を行い、グラフ化します。
生産量が多ければ多いほど、専用ラインを設ける製品別レイアウトが効率的になります。
多品種で少量生産になると、機能別レイアウトにして、材料が必要な機能(工程)の場所に移動する方が効率的になります。
中品種中量生産であれば、グループ別レイアウトになります。グループ別レイアウトは似た工程を持つ商品を同じラインで流していく方法になります。やや製造が異なったりしますので、セル生産方式等で利用されます。複数製品を作るため、効率は落ちます。
このように、PQ分析結果で、レイアウトの方向性は決まってきます。
モノの流れとアクティビティ(モノに関係を持つもの。機械設備、倉庫など)の相互関係(例えば重い材料を使う場合は倉庫と設備を近づけるなど)について分析します。
モノの流れ分析は以下のものがあります。生産形態、レイアウト、モノの流れ分析を整理すると以下のようになります。
生産形態 レイアウト モノの流れ分析
少品種大量生産 製品別レイアウト 単純工程分析
中品種中量生産 グループ別レイアウト 多品種工程分析
多品種少量生産 機能別レイアウト フロムツーチャート
所要面積の決定。アクティビティごとの面積を決定。
レイアウトの決定
空欄Aについてです。今回の問題では、元々製品別レイアウトだったのが、多品種化が進展し、維持が困難になってきたとの記載があります。タイプⅠ⇒少品種大量生産となり、タイプⅠは誤りになります。
空欄Bについてです。流れ線図(フローダイヤグラム)では設備や建物のレイアウトに、物や人の動きと工程図記号を結ぶ線を描くことにより、ムダな移動などを視覚的に把握することができます。レイアウトが決まっているものの分析になりますので、誤りになります。
上記説明より、不適切です。
上記説明より、不適切です。
正解です。
上記説明より、不適切です。