中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
運営管理 問11
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成30年度(2018年) 問11 (訂正依頼・報告はこちら)
トヨタ生産方式の特徴を表す用語として、最も適切なものの組み合わせを下記から選べ。
a MRP
b かんばん方式
c セル生産方式
d 製番管理方式
e あんどん方式
a MRP
b かんばん方式
c セル生産方式
d 製番管理方式
e あんどん方式
- a と c
- a と d
- b と c
- b と e
- d と e
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この過去問の解説 (2件)
01
トヨタ生産方式は、「ジャスト・イン・タイム」と「自働化」という基本構想に基づき構成されています。「ジャスト・イン・タイム」を実現するために「かんばん方式」という生産管理の体制がとられ、「自働化」における異常時のライン自動停止の仕組みの中で、管理者への伝達方法として「あんどん」が採用されています。
よって正解はbとeになります。
1→MRPは広義では、見込生産を行う製品の生産管理方式であり、生産統制機能を有する部署やシステムが生産にかかわる設備、人、金を含めた計画に沿って生産を行うことを指します。計画主導であり、トヨタ生産方式とは相反する方式といえます。
よって誤りです。
2→製番管理方式は個別生産(受注生産)や月間生産量の少ないロット生産で用いられる方式で、製品の生産ロットごとに「製番」を割り当て、「製番」ごとに計画・発注・出庫・作業指示を行うものです。昔から多くの企業に使われています。
よって誤りです。
3→セル生産方式は異なる複数の機械をまとめて機械グループ(セル)で工程を編成する生産方式を指します。グループ化を利用して生産リードタイムの短縮、仕掛品削減を可能にします。トヨタ生産方式とは異なるものです。よって誤りです。
4→かんばん方式とあんどん方式がトヨタ生産方式の特徴です。よって正解です。
5→上記より誤りです。
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02
【基礎知識】
トヨタ生産方式とは、トヨタ自動車が作り出した生産管理手法のことです。
JIT(ジャストインタイム方式)、自働化の2つの特徴があります。
・JIT方式
プル・システム(後工程引き取り方式)とも呼ばれ、工程の下流(製品完成に近い方)から需要を踏まえて上流側に向けて、必要な部品の供給を求めていく方式になります。上流の工程は下流の工程に引き取られた分を生産していくことになります。必要な時に、必要なものを必要な分だけ生産することから、ジャストインタイム方式と呼ばれています。
JIT方式に対して、上流工程が作ったものを下流工程に流していく方式をプッシュ・システム(押し出し方式)と言います。
JIT方式を実現するために、上流工程が下流工程に何がどれだけいつ必要かを指示する必要があります。このときに使うツールが、かんばんと言います。かんばんの指示に従って上流工程は生産や運搬を行うことになり、需要に近いところからの情報をもとに生産しますので、作りすぎなどがなくなります。
プッシュ・システムですと、例えば後工程でトラブルが発生したときも前工程は部品を作り続けてしまい、結局在庫量が増えたりしてしまいます。プル・システムでは、こういったこともなく、小ロット化を合わせて進めて平準化生産を実現しています。
・自働化
作業工程に異常が発生すると、自動で停止する仕組みです。ラインが停止すると、他工程の従業員もすぐ対応できます。それにより、作りすぎなどを防止することができます。
この異常を示すランプをあんどんと言います。あんどんが点滅することで、すぐに生産を停止し、原因究明、問題解決を図っていきます。
【選択肢評価】
a 資材所要量計画のことです。事前に生産数量が決定しているときに、全体工程、材料等を最適化させる計画のことです。需要が変動すると対応できません。誤り。
b 正しい
c セル生産方式は異なる機械をまとめて一人の作業員で複数工程を持つような生産方式です。多品種少量生産など、ラインで流していくことができないような製品の生産に使われます。誤り。
d 1品1品を決まったお客様に作っていく方式です。誤り。
e 正しい。
上記説明より、不適切です。
上記説明より、不適切です。
上記説明より、不適切です。
正解です。
上記説明より、不適切です。
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