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中小企業診断士の過去問 平成30年度(2018年) 運営管理 問13

問題

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資材の発注に関する記述として、最も適切なものはどれか。
   1 .
MRPでは、発注量と発注時期を生産計画と独立に決定できる。
   2 .
定期発注方式における発注量は、(発注間隔+調達期間)中の需要推定量 − 発注残 − 手持在庫量 − 安全在庫量で求められる。
   3 .
発注間隔を長くすることにより、きめの細かい在庫管理ができ在庫量が減少する。
   4 .
発注点は、調達期間中の払出量の大きさと不確実性を考慮して決定される。
( 中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成30年度(2018年) 問13 )
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この過去問の解説 (2件)

4

【基礎知識】

資材の発注に関する問題です。

まず、発注方式は大きく6つあります。主要なのは定量発注方式、定期発注方式になります。

① 定量発注方式:在庫量が一定量を下回った際に決まった数量を発注する方式。需要が大きくぶれるような商品には不向きだが、安定的な需要の場合は手間も少なく、機械的に対応できる。

② 定期発注方式:一定の時期に、その時の在庫量を踏まえ、発注数量を決定して発注する方式。需要がブレても発注数量で調整できる。一方で都度発注数量を決めるので手間でややこしい。

③ 不定期不定量発注方式:在庫が一定数量を下回った時に需要を予測して発注。高額な商品に使われます。発注数量の予測が難しい。

④ 簡易発注方式:重要度の低い商品で使われる。ダブルビン方式と補充方式に分かれる。

    ・ダブルビン方式:在庫を2つに分け、片方から品出しし、

             なくなったらその分発注する方式。

    ・補充方式:一定量を使ったら発注する方式。

⑤ 同期化発注方式:発注先と契約し、毎日一定数を納品させる方式。急な需要変動に対応しきれないが、重要性の低い商品の場合は毎回発注する手間を省ける。

⑥ 分納発注方式:定期的に計画数と在庫数を確認し、計画に合わせて発注する方式。

特に重要な定量発注方式、定期発注方式について説明します

・定量発注方式

一定在庫を下回った時に発注します。この在庫量を発注点と言います。

仮に、在庫量が0のときに発注点としてしまうと、商品が届くまで在庫切れになりますので、ある一定の在庫量を抱えた段階で発注を行います。よく売れる商品などは在庫切れが怖いので、最低限確保しておく在庫量を決めています。これを安全在庫と言います。これを下回らないように発注点を定めます。発注してから商品が届くまでの間も在庫は減っていきますので、在庫切れを起こさないように、発注点は安全在庫に、発注してから商品が届くまでの期間に販売されると予測される数(調達リードタイムにおける推定需要量)を足した在庫が発注点になります。

あと、重要な概念として経済的発注量があります。経済的発注量は以下のように考えます。

発注を1回行うと、運送料などの発注コストがかかります。ですので、できるだけ多くの量を発注したいですが、一方で発注しすぎて在庫を抱えてしまうと、商品ロスやスペース利用などで在庫コストがかかってしまいます。できるだけ在庫は少なく抱える方が安くつきます。

つまり、発注コストと、在庫コストはトレードオフの関係になっており、この2つが等しくなる点が最適な発注量となります。

経済的発注量:Q

1回あたり発注コスト:H

1個当たり在庫(保管)コスト:C

想定需要量:D とすると、

発注コストはD/Q×H となります。需要量を発注量で割った回数だけ発注コストがかかります。

在庫コストはQ/2×C となります。1回あたりの発注量がQですので、平均在庫はQ/2となり、Cをかけたものです。

よって、D/Q×H=Q/2×Cとなり、Qについて解くと、

 Q=√2DH/C となります。

定期発注方式は定期的に発注しますが、一回当たりは異なる量で発注を行います。

発注量を考えるときに、発注して入荷するまでの期間(調達リードタイム)と、発注してから次に発注するまでの期間(発注サイクル)の2つの期間を考慮する必要があります。通常、①発注→②入荷→③発注→④入荷となっていきますので、①の発注時点では、次の入荷までの在庫等を考える必要がありますので、④の入荷までをも見据えて発注量を考えることになるからです。

よって、定期発注方式における発注量は、

予測期間(調達リードタイム+発注サイクル)の推定需要量-(手持在庫+発注残)+安全在庫

となります。

選択肢1. MRPでは、発注量と発注時期を生産計画と独立に決定できる。

MRPとは資材所要量計画のことで、生産計画を元に、部品や在庫、購買等を最適化する考えになります。つまり生産計画ありきですので、誤り。

選択肢2. 定期発注方式における発注量は、(発注間隔+調達期間)中の需要推定量 − 発注残 − 手持在庫量 − 安全在庫量で求められる。

安全在庫分は必ず残す必要があるため、足す必要があります。誤り。

選択肢3. 発注間隔を長くすることにより、きめの細かい在庫管理ができ在庫量が減少する。

発注間隔が延びると、当然次の発注まで在庫切れを起こさないように在庫を増やします。よって誤り。

選択肢4. 発注点は、調達期間中の払出量の大きさと不確実性を考慮して決定される。

記載の通り。正しい。

付箋メモを残すことが出来ます。
3
正解は4です。

資材の発注については、代表的な発注方式であるMRP、定量発注方式、定期発注方式、ダブルビン方式、補充点方式を抑える必要があります。

1→狭義のMRPは、生産計画情報、部品構成表情報および在庫情報に基づいて、資材の必要量と時期を求める生産管理体系を指します。つまり、生産計画に沿った発注となるため、発注量・時期を独立して決定はできません。よって誤りです。

2→定期発注方式は、あらかじめ定めた発注間隔で発注量を発注毎に決めて発注する在庫管理方式です。発注量は毎回異なりますが発注サイクルは常に同じとなります。
計算式は以下で表されます。
発注量=(在庫調整期間の予想消費量-現在の在庫量-発注残)+安全在庫調整期間
=発注サイクル(発注から次の発注までの間)+調達リードタイム(発注から納品までの間)
よって誤りです。

3→発注間隔を短くすると、きめの細かい在庫管理ができ在庫量が減少します。予想需要に対して柔軟に対応できます。長くすると余分な在庫が増え予測精度が下がりやすいです。
よって誤りです。

4→「発注点」は、調達リードタイム×調達リードタイム中の平均需要量/日+「安全在庫」
で表されます。つまり、「安全在庫」に発注してから納品されるまでの期間(調達リードタイム)に消費される在庫量である「推定需要量」を加算して設定します。「安全在庫」は、調達リードタイムの需要変動による「品切れ」を防止するために必要な最低限の在庫のことをいい、JISではこれを「不確実性」と定義しています。よって正解です。

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