中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
運営管理 問21

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成30年度(2018年) 問21 (訂正依頼・報告はこちら)

JISで定義される設備故障とその保全活動に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 機能停止型故障を抑制するために、事後保全を実施した。
  • 寿命特性曲線上での設備の初期故障を抑制するために、保全予防を実施した。
  • 設備故障の状態は、「設備が規定の機能を失う状態」と「設備が規定の性能を満たせなくなる状態」の2つに分類される。
  • 設備の信頼性を表す故障強度率は、1 − 故障停止時間の合計/負荷時間の合計によって計算される。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

設備保全は、設備性能を維持するために、設備の劣化防止、劣化測定および劣化回復の諸機能を担う、日常的または定期的な計画、点検、検査、調整、整備、修理、取替えなどの諸活動の総称とされています。保全活動はこの活動を維持するための活動を指します。
さらに保全活動は設計時の技術的性能を維持する「維持活動」と性能劣化を修復・改善する「改善活動」に大別されます。
更に「維持活動」は予防保全、事後保全に分かれ、予防保全は定期保全と予知保全に分かれます。「改善活動」は改良保全と保全予防に分かれます。

1→機能停止型故障の抑制は、予防保全になります。事後保全は設備に故障が発見された時にその故障を改善する保全方法を指します。よって誤りです。

2→「寿命特性曲線」は、縦軸に故障率、横軸に時間をとったグラフです。時間経過に伴い初期故障期、偶発故障期、摩耗故障期に分かれます。グラフは一般的にバスタブのような形状になります。
「保全予防」とは、「設備、ユニット、アッセンブリ、部品などについて、計画・設計段階から過去の保全実績又は情報を用いて不良や故障に関する事項を予知・予測し、これらを排除するための対策を織り込む活動」です。保全予防を実施することで初期故障の抑制が見込まれます。よって正解です。

3→JISで定義される設備故障は、(1)規定の機能を失う(2)規定の性能を満たせなくなる(3)設備による産出物や作用が規定の品質レベルに達しなくなるの3点とされています。よって誤りです。

4→故障強度率は故障停止時間の合計÷設備負荷時間の合計とされています。よって誤りです。設備負荷時間=実稼働時間+不稼働時間です。

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02

【基礎知識】

設備保全に関する問題です。

設備保全は故障が発生するタイミングと修理するタイミングにより分類されます。

事後保全:壊れたら修理する。壊れて生産が止まっても問題のない場合に取られる設備保全。

予防保全:壊れる前に交換、修理する

     ・定期保全:定期的に保全を行う

     ・予知保全:設備診断等を行い、設備保全のタイミングを決定する

改良保全:壊れないように改良する。

保全予防:そもそも保全の必要がないように設計する

選択肢1. 機能停止型故障を抑制するために、事後保全を実施した。

機能が停止してしまう故障の場合、壊れたら修理するのではなく、壊れる前に修理して稼働率を上げる予防保全が有効であるため、誤り。

選択肢2. 寿命特性曲線上での設備の初期故障を抑制するために、保全予防を実施した。

寿命特性曲線とは、バスタブ曲線とも呼ばれ、初期に故障が多くなり、品質が安定する中間期は少なく、経年劣化の起こる後期にまた故障が増えることを表している。そもそも保全の必要がないように設計する保全予防は効果的な設備保全になる。正しい。

選択肢3. 設備故障の状態は、「設備が規定の機能を失う状態」と「設備が規定の性能を満たせなくなる状態」の2つに分類される。

JISの規定では、2つに加え、生産物が規定の品質に達しないことも設備故障と定義している。誤り。

選択肢4. 設備の信頼性を表す故障強度率は、1 − 故障停止時間の合計/負荷時間の合計によって計算される。

強度率とは、故障の発生率とお考えいただければいい。故障停止時間/負荷時間の合計となる。1-を加えてしまうと、故障が発生してない率となり、誤り。

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