中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
運営管理 問22

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成30年度(2018年) 問22 (訂正依頼・報告はこちら)

生産現場で行われる改善に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • あい路工程での出来高を向上させる目的で、その直前工程の処理能力を高めた。
  • 生産ラインの編成効率を高める目的で、生産ラインのU字化を検討した。
  • 同一製品を継続生産する職場での進度管理の手間を省く目的で、製番管理を導入した。
  • 入社直後のパート従業員を短期間で組立職場に配置できるようにする目的で、1人生産方式を導入した。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

1→あい路工程とは生産工程の中で最も生産能力が低い工程を指します。直前工程の処理能力を高めると、さらにあい路工程の処理が追い付かなくなります。よって誤りです。

2→生産ラインのU字化とは、一人の作業者に対し、複数の設備をU字で配置する生産ラインのことで、作業者の多能工化によりラインの編成効率を高めます。よって正解です。

3→製番管理方式は個別生産や小ロット生産に採用される生産方式です。同一製品の継続生産には、製品や部品の種類によって進捗管理をする追番管理方式が適しています。よって誤りです。

4→1人生産方式は、1人の作業者に全ての工程を任せる方式で、高い習熟度が必要です。
短期間で組立職場に配置する目的には合わないです。よって誤りです。

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02

【基礎知識】

生産現場の改善についての問題です。語句についての知識・理解が問われています。

生産現場においては、安全面などの改善もありますが、ここでは生産性の改善に注目していきます。

主に4つの手法がとられます。

① ボトルネックの改善

生産工程において、一番効率が悪かったり、時間当たりのアウトプットが少ない工程をボトルネックと言います。その生産ラインの製品1個当たり生産にかかる時間はボトルネックのアウトプットの時間と等しくなります。

② 5Sによる生産ラインの効率化

5Sとは整理・整頓・清掃・清潔・しつけのことです。モノが散らかっていたり、必要なものの場所がわかりにくいなどの生産ラインは効率が下がります。

③ 生産ラインのレイアウトの最適化

少品種多量生産の場合は専用ラインを設け、ライン生産方式により連続生産を行う、個別生産についてはセル生産方式、ジョブショップ生産方式など、製品の特長に応じた生産ラインを構築することで生産性を改善することができます。

④ 生産ラインの自動化・無人化

人手をロボット等で自動化、無人化していきます。

選択肢1. あい路工程での出来高を向上させる目的で、その直前工程の処理能力を高めた。

あい路工程とはボトルネックのことです。この工程に一番時間がかかっているので、その手前をいくら改善してもあい路工程において在庫が積みあがるだけです。よって誤り。

選択肢2. 生産ラインの編成効率を高める目的で、生産ラインのU字化を検討した。

生産する製品をU字ラインに乗せて動かし、U字の中に作業者が入ることで、作業者が複数の工程を担当することができ、効率が上がります。よって正しい。

選択肢3. 同一製品を継続生産する職場での進度管理の手間を省く目的で、製番管理を導入した。

製番管理は製品に応じて部品に番号を割り振り、管理を簡素化させる管理方法になります。同一製品を継続的に生産する場合は、そのラインにおける製品番号も同一になり、管理する管理方法としては適していません。よって誤り。

選択肢4. 入社直後のパート従業員を短期間で組立職場に配置できるようにする目的で、1人生産方式を導入した。

多品種少量生産や個別の生産になると、ライン作業ではなく、個別の工程を構築する必要があります。その場合にベルトコンベアで製品を流しながら組み立てていくのではなく、必要な設備のある工程に製品を持って行ったり、セル生産方式で1人で組み立てていく生産方法がとられます。特にセル生産方式は一人で組み立てていくため、ある程度作業者が熟練していないと適していません。問題では入社直後とありますので、誤り。

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