中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
運営管理 問28
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 平成30年度(2018年) 問28 (訂正依頼・報告はこちら)
下表は、ある店舗における1カ月の営業実績をまとめたものである。
人時生産性を改善するために、営業時間などを変えた販売計画を検討している。それぞれの販売計画に関する下記の解答群の記述のうち、現状の営業実績と比べて人時生産性を最も大きく改善できるものはどれか。
人時生産性を改善するために、営業時間などを変えた販売計画を検討している。それぞれの販売計画に関する下記の解答群の記述のうち、現状の営業実績と比べて人時生産性を最も大きく改善できるものはどれか。
- 営業時間を延長して売上高を20%増やす。ただし、総労働時間は810時間となり、粗利益率、人件費単価は変わらないものとする。
- 人件費以外の販売経費を10%削減して営業利益を増加させる。ただし、総労働時間、粗利益率は変わらないものとする。
- 総労働時間を30時間減らして人件費を削減する。ただし、売上高、粗利益はそれぞれ 5 %減少し、人件費単価は変わらないものとする。
- 値引きロスを減らして粗利益率を33%に改善する。ただし、売上高、人件費、総労働時間は変わらないものとする。
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この過去問の解説 (2件)
01
「人時生産性」とは、社員・パート・アルバイトを含めた従業員の1人1時間当たりにおける「粗利益」のことを示しており、以下の公式により算出されます。
人時生産性=粗利益÷総労働時間
問題の営業実績をもとに人時生産性を計算すると、270万円÷600時間=0.45となります。
これを基準に各選択肢を見ていきます。
1→売上高が20%上がった場合の粗利益は324万円となります。よって、人時生産性は324万円÷810時間=0.4となり、悪化しています。よって誤りです。
2→人件費以外の販売経費は売上原価ではなく、販売費及び一般管理費なので、粗利益は変化しません。総労働時間も変化しないので、人時生産性は同じです。よって誤りです。
3→粗利益が5%下がると256.5万円となります。人時生産性は256.5万円÷570時間=0.45となり、増減なしです。よって誤りです。
4→粗利益率が33%に上昇したため、粗利益が297万円となります。人時生産性は297万円÷600時間=0.495となり、改善しています。よって正解です。
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02
【基礎知識】
感度分析の問題になります。どの数値を改善すれば、生産性が向上するかを確認します。
生産性はOUTPUT/INPUTで求めることができます。○○生産性は、○○を1単位増やした場合にアウトプットがどれだけ増えるかを示すもので、OUTPUT/○○で求めることができます。
この問題における生産性とはどうなりますでしょうか?少し、財務会計の知識も必要になります。
通常、損益計算書は以下の構造になります。基本になりますので確認しておいてください。
売上 - 売上原価 = 粗利益
粗利益 - 販管費 = 営業利益
以上から、この企業の現状の営業利益は
900万円 - 630万円(粗利率0.3から逆算) = 270万円(粗利益)
270万円 - 120万円(販管費=ここでは労務費のみしかありません) = 150万円(営業利益)
よって、生産性はOUTPUTを営業利益と考えると、
150万円 / 600時間(人×時間) = 0.25
となります。
素直に選択肢の改善内容を式に反映していきます。
売上 900万円×1.2=1,080万円 20%増やすため
粗利益 0.3(粗利益率)より、324万円
営業利益 324万円 - 810時間×2,000円 = 162万円
よって、人時生産性は 162万円 / 810時間 = 0.2 で元の生産性から悪化しています。誤り。
人件費以外の販売費については当初数値が不明のため、改善効果が評価できません。誤り。
素直に選択肢の改善内容を式に反映していきます。
売上 900万円×0.95 = 855万円
粗利益 0.3-0.05(粗利益率の悪化分)より、855万円 × 0.25 で213.75
営業利益 213.75万円 - (600-30)時間×2,000円 = 99.75万円
よって、人時生産性は 99.75万円 / 570時間 = 0.175で元の生産性から悪化しています。誤り。
素直に選択肢の改善内容を式に反映していきます。
売上 900万円
粗利益 0.33(粗利益率)より、297万円
営業利益 297万円 - 600時間×2,000円 = 177万円
よって、人時生産性は 177万円 / 600時間 = 0.295で改善しています。正しい。
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