中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経営法務 問1

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 平成30年度(2018年) 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

合同会社は、当事者間で最適な利害状況を自由に設定することを可能とすることによって、事業の円滑な実施を図り、法規制による保護ではなく、利害関係者の自己責任による問題解決に委ねるという会社類型である。
株式会社と合同会社を比較した記述として、最も適切なものはどれか。
  • 株式会社の株主は、会社債権者に対して間接有限責任しか負わないが、合同会社の社員は、会社債権者に対して直接無限責任を負う。
  • 株式会社の場合には、資本金を増やさずに出資による資金調達を行うことはできないが、合同会社の場合には、資本金を増やさずに出資による資金調達を行うことができる。
  • 株式会社の場合にも、合同会社の場合にも、純資産額が300万円以上でなければ、配当を行うことができない。
  • 株式会社の場合にも、合同会社の場合にも、貸借対照表を公告しなければならない。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

株式会社と合同会社の比較に関する問題です。

各選択肢については、以下の通りです。

1→株式会社の株主は出資の限度まで有限責任を負います。これは合同会社でも同じです。

2→適切です。株式会社は出資をうければ(株式を発行すれば)決まった一定額を資本金に組み入れなければなりません。これに対し合同会社はこのような決まりはありません。

3→株式会社は純資産が300万円以上でなければ配当ができません。しかし合同会社はそのような決まりはありません。

4→株式会社は貸借対照表の作成と広告が義務付けられています。しかし合同会社は公告は義務付けられていません。

参考になった数9

02

【基礎知識】

合同会社は2006年に生まれた会社形態です。現在はこの形態を選ぶ企業が増えています。なぜでしょうか。

株式会社との一番の違いは、所有と経営が一致していることです。よって迅速な意思決定が可能ですし、設立の手続きも簡易なものとなっています。また、色々な点で自由度があります。例えば利益配分。株式会社は持分で配分が変わりますが、こちらも自由で特に決まりはありません。

会社の形態とその特徴です。株式会社を加えた4形態の特徴は押さえておいてください。

        株式会社  合同会社  合資会社  合名会社

資本金     1円~   1円~   規定なし 規定なし

出資者     株主    社員    社員2名~ 社員1名~

責任      有限    有限    有限・無限  無限

最高意思決定  総会   社員過半数  社員過半数 社員過半数

決算公告    有     無      無     無

選択肢1. 株式会社の株主は、会社債権者に対して間接有限責任しか負わないが、合同会社の社員は、会社債権者に対して直接無限責任を負う。

合同会社も有限責任となります。誤り。

選択肢2. 株式会社の場合には、資本金を増やさずに出資による資金調達を行うことはできないが、合同会社の場合には、資本金を増やさずに出資による資金調達を行うことができる。

株式会社は資本金に一定額を入れる必要がありますが、合同会社はそういった決まりはありません。正しい。

選択肢3. 株式会社の場合にも、合同会社の場合にも、純資産額が300万円以上でなければ、配当を行うことができない。

株式会社には株主保護の観点から300万円以上の純資産がなければ配当できませんが、合同会社は自由です。誤り。

選択肢4. 株式会社の場合にも、合同会社の場合にも、貸借対照表を公告しなければならない。

決算公告義務はありません。誤り。

参考になった数2