中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
経営法務 問2
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 平成30年度(2018年) 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
下表は、合併及び会社分割の各手続において、簡易手続及び略式手続の有無を整理したものである。空欄A〜Dに入る記号の組み合わせとして、最も適切なものを下記から選べ。
なお、該当する手続があるものについては「○」、ないものについては「×」を記載することにしている。
なお、該当する手続があるものについては「○」、ないものについては「×」を記載することにしている。
- A:○ B:× C:× D:○
- A:○ B:× C:× D:×
- A:× B:○ C:○ D:○
- A:× B:○ C:○ D:×
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この過去問の解説 (2件)
01
会社形態によって、簡易手続あるいは略式手続により合併や会社分割を行える可否に関する問題です。
簡易手続とは親会社となる会社の株主総会を省略することです。原則、完全子会社となる会社純資産が完全親会社となる会社の純資産額の5分の1以下であれば行うことができます。
略式手続とは子会社となる会社の株主総会を省略することです。原則、完全親会社となる会社が子会社となる会社の議決権の10分の9以上を有していれば行うことができます。
これらの手続きは組織再編の種類によって採用できる場合とできない場合があります。
「吸収合併」の消滅株式会社は、株主総会の特別決議が必要で簡易手続きはありません(Aは×)。一方、略式手続きは行うことができます(Bは○)。
「新設分割」の新設分割株式会社は、上記の通り純資産が5分の1以下であれば簡易手続きを行うことができます(Cは○)。一方、略式手続きはありません(Dは×)。
各選択肢については、以下の通りです。
1→上記の通り適切ではありません。
2→上記の通り適切ではありません。
3→上記の通り適切ではありません。
4→上記の通り適切です。
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02
【基礎知識】
組織再編にかかわる合併、会社分割の手続きに関する問題です。
こういった問いは表形式で覚えて対応していくのがいいと思います。ただ、表の中身については理解が必要です。問題文の表を暗記する形でもいいかと思います。
組織再編は以下の手法で行われます。
1.吸収合併
2.新設合併
3.吸収分割
4.新設分割
5.株式交換
6.株式移転
今回の問題にもなっている略式、簡易の組織再編ができるかどうかはポイントとなります。
基本組織再編は株主総会の特別決議が必要になります。ただ、一定の条件が合えば特別決議をする必要がなくなります。
語句の確認です。
簡易組織再編:親会社の株主総会の意思決定を省略することができる。子会社の純資産額が親会社の純資産額の1/5以下であれば可能。(影響は小さいと考えられるため)つまり、そこまで重要でないから株主総会で決議しなくてもいいという考え方。
略式組織再編:親会社(議決権を持つ)の株主総会で意思決定された場合、子会社での意思決定を省略することができる。子会社の議決権の9/10を保有しておく必要がある。
このように整理すると、新設となる会社があると親子関係がまだありませんので略式組織再編はできないことになります。一方で吸収の場合は可能ということになります。
簡易手続きについて新設は資産規模等の基準で不要になるケースがあります。吸収されて消滅する企業は簡易手続きというわけにはいきません。
【選択肢評価】
A 吸収されて消滅するため、簡易手続きはありません。×。
B 親会社の意思決定があれば略式手続きは可。〇。
C 新設の場合は資産規模が小さければ簡易手続き可。〇。
D 新設なので略式はできない。×。
上記説明より、不適切です。
上記説明より、不適切です。
上記説明より、不適切です。
正解です。
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