中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
中小企業経営・中小企業政策 問32

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 平成30年度(2018年) 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

中小企業診断士のX氏は、衣料品小売業を営む小規模事業者のY氏から、「小規模事業者向けの融資制度を知りたい」との相談を受けた。Y氏は、Z商工会の経営指導員による経営指導を3年間受けており、Z商工会地区で5年間事業を行っている。そこで、X氏はY氏に「小規模事業者経営改善資金融資制度」を紹介することにした。
以下は、X氏とY氏との会話である。

X氏:「小規模事業者経営改善資金融資制度は、小規模事業者の経営改善のための有利な融資制度です。」
Y氏:「私は、融資対象になりますでしょうか。」
X氏:「対象となるには、商工会・商工会議所の経営指導員による経営指導を原則[ A ]受けていること、所得税、法人税、事業税、都道府県民税などの税金を原則として完納していること、原則として同一の商工会等の地区内で[ B ]事業を行っていることなどの要件がありますが、Yさんは該当しますね。」
Y氏:「具体的な支援内容について教えていただけますか。」
X氏:「この融資制度では、低利で融資を受けることができます。融資対象となる資金は、設備資金と運転資金で、貸付限度額は[ C ]です。担保・保証人は[ D ]。」
Y氏:「ありがとうございます。さっそく、利用を検討してみます。」

文中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
  • A:6か月以上  B:1年以上
  • A:6か月以上  B:2年以上
  • A:1年以上   B:1年以上
  • A:1年以上   B:2年以上

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この過去問の解説 (2件)

01

小規模事業者経営改善資金融資制度を利用できる対象者は、以下5つの要件を満たしている事業者になります。

①常時使用する従業員が20人(商業またはサービス業(宿泊業および娯楽業を除く)に属する事業を主たる事業として営む方については5人)以下の法人・個人事業主の方

②最近1年以上、商工会議所地区内で事業を行っている方(商工会地区の方は「商工会地区内」となります)

③商工会議所の経営・金融に関する指導を原則6ヵ月以上受けており、事業改善に取り組んでいる方(商工会地区の方は商工会の経営指導となります)

④税金(所得税、法人税、事業税、都道府県民税等)を完納している方

⑤日本政策金融公庫の非対象業種等に属していない業種の事業を営んでいる方

上記②と③より、正答は1となります。

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02

小規模事業者経営改善資金融資制度(マル経融資)についての問題です。

本問では、マル経融資の対象となる要件の知識が問われています。

要件をまとめると以下のようになります。

  • ・商工会・商工会議所の経営指導員による経営指導を原則 6 カ月以上受けていること
  • ・所得税、法人税、事業税、都道府県民税などの税金を原則として完納していること
  • ・原則として同一の商工会等の地区内で 1 年以上事業を行っていること
  • ・商工業者であり、かつ、日本政策金融公庫の融資対象業種を営んでいること

正しい選択肢の組み合わせは A:6ヶ月以上 B:1年以上 です。

選択肢1. A:6か月以上  B:1年以上
  • 本選択肢が正解です。

選択肢2. A:6か月以上  B:2年以上

本選択肢は不正解です。

選択肢3. A:1年以上   B:1年以上

本選択肢は不正解です。

選択肢4. A:1年以上   B:2年以上

本選択肢は不正解です。

まとめ

マル経融資は小規模企業が利用しやすい融資制度のため頻出論点といえます。各テキストや中小企業施策利用ガイドブックを参考にして、出題されたら対応できるよう学習しておきましょう。

この融資制度は小規模企業を対象としたものであるため、以下の小規模企業の範囲を満たす企業を前提とした制度となります。

製造業その他 従業員数20人以下

商業・サービス業 従業員数5人以下

*商業・サービス業は宿泊業、娯楽業を除きます。

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