中小企業診断士の過去問
平成30年度(2018年)
中小企業経営・中小企業政策 問35

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 中小企業経営・中小企業政策 平成30年度(2018年) 問35 (訂正依頼・報告はこちら)

次の下請中小企業の支援に関する文章を読んで、下記の設問に答えよ。

[ A ]は、[ B ]の規模によって「優越的地位」にあるかどうかを規定するとともに、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託及び役務提供委託の行為について、下請取引を適正化し、下請事業者の利益を保護することを目的としている。この法律では、親事業者には4つの義務と11項目の禁止事項が課されている。

文中の下線部に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 支払期日までに代金を支払わなかった場合でも、下請事業者の了解を得ていれば、遅延利息を支払う必要がない。
  • 請求書を受領した日から120日以内に代金を支払う必要がある。
  • 取引が完了した後も、取引の内容を記録し、2年間保存する必要がある。
  • 発注の際は、親事業者と下請事業者が対面して、発注内容を確認しなければならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

下請代金支払遅延等防止法では、以下4つの義務が課されています。

①発注書面の交付義務:委託後、直ちに、給付の内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法等の事項を記載した書面を交付する義務。

②発注書面の作成、保存義務:委託後、給付、給付の受領(役務の提供の実施)、下請代金の支払等について記載した書類等を作成し、保存する義務。

③下請代金の支払期日を定める義務:下請代金の支払期日について、給付を受領した日(役務の提供を受けた日)から60日以内で、かつ出来る限り短い期間内に定める義務。

④遅延利息の支払義務:支払期日までに支払わなかった場合は、給付を受領した日(役務の提供を受けた日)の60日後から、支払を行った日までの日数に、年率14.6%を乗じた金額を「遅延利息」として支払う義務。

1.誤った記述となります。④より、「遅延利息」を支払う義務があります。

2.誤った記述となります。③より、「60日以内」に支払う必要があります。

3.正しい記述です。

4.誤った記述となります。4つの義務には規定されていない内容となります。

よって、正答は3となります。

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02

本問は下請代金支払遅延等防止法で、親事業者に課されてる4つの義務についての問題です。

4つの義務とは以下のものです。

1.遅延利息の支払義務

親事業者は、下請代金を支払期日までに支払わない場合は、物品等を受領した日から起算して60日を経過した日から、実際に支払いをした日までの日数に対して、年率14.6%を乗じた遅延利息を支払う義務です。

2.支払期日を定める義務

親事業者は下請事業者が給付した内容に対して検査するかどうかを問わずに、物品等を受領した日から起算して60日以内で、できる限り短い期間内で支払期日を定める義務があります。支払期日を定めるには下請事業者の合意が必要です。

3.記録保存

親事業者は取引が完了した後も、下請代金の金額等を記載した書類を2年間保存する義務があります。

4.書面の交付義務

発注に際して具体的記載事項をすべて記載した書面を直ちに下請事業者に交付しなくてはならない義務のことです。

上記の踏まえて各選択肢をみていきます。

選択肢1. 支払期日までに代金を支払わなかった場合でも、下請事業者の了解を得ていれば、遅延利息を支払う必要がない。
  • 年率14.6%を乗じた遅延利息を支払う義務があるため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. 請求書を受領した日から120日以内に代金を支払う必要がある。
  • あらかじめ定めた支払期日までに代金を支払う必要があるため、本選択肢は不正解です。

選択肢3. 取引が完了した後も、取引の内容を記録し、2年間保存する必要がある。
  • 本選択肢が正解です。

選択肢4. 発注の際は、親事業者と下請事業者が対面して、発注内容を確認しなければならない。
  • 義務として求められているのは、対面で発注内容を確認することではなく書面を発行することであるため、本選択肢は不正解です。

まとめ

下請代金支払遅延等防止法とは優越的な地位にある親事業者から下請事業者を保護するための法律であるため、親事業者に課されている義務も論点になることが多く学習して対策しておく必要がある内容です。

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