問題
消費の決定に関する記述として、最も適切なものはどれか。
消費関数に関する仮説についての問題です。
各選択肢の項目でそれぞれの仮説の解説をします。
恒常所得仮説とは、フリードマンが提唱した仮説です。消費は、過去に得た所得の平均値に基づいて、将来に得られると想定できる「恒常所得」と、一時的な所得の「変動所得」に分けた上で、恒常所得に依存して決定されるとする仮説です。一時金の支給で消費は増加しないとされています。
そのため本選択肢が正解です。
絶対所得仮説において消費は、現在の所得により決定されるとなっています。言い換えると消費関数に従うことになります。
消費関数を式に表すと以下のようになります。
C = c0 + c1Y
(C:消費 c0:基礎消費 c1:限界消費性向 Y:可処分所得)
可処分所得であるYが増加すると消費が増加する計算結果になり、絶対所得仮説は消費関数に従うため消費が増加する結論となります。
そのため本選択肢は不正解です。
絶対所得仮説において消費は、現在の所得により決定されるとなっています。言い換えると消費関数に従うことになります。
消費関数を式に表すと以下のようになります。
C = c0 + c1Y
(C:消費 c0:基礎消費 c1:限界消費性向 Y:可処分所得)
定期昇給によりYが増加するため消費が増加する計算結果になり、絶対所得仮説は消費関数に従うため消費が増加する結論となります。
そのため本選択肢は不正解です。
ライフサイクル仮説において消費は、現在の所得ではなくて生涯を通じて得られる所得総額である生涯所得を、一生涯の間にすべて使い切れるように決定するとされています。
定期昇給は生涯所得の増加と考えるため、消費が増加するという結論になります。
そのため本選択肢は不正解です。
経済理論にはさまざまなものがあり例年出題されます。
本問の論点となった消費関数に関しては、「恒常所得仮設」、「ライフサイクル仮説」、「相対所得仮説」が三大仮説と呼ばれる代表的なものとされています。
主要なものや代表的なものは出題されても回答できるように学習しておきましょう。