中小企業診断士の過去問
令和元年度(2019年)
経済学・経済政策 問9

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和元年度(2019年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

総需要 − 総供給分析の枠組みで、財政・金融政策の効果と有効性を考える。下記の設問に答えよ。

「流動性のわな」の状況下にあるときの LM曲線は、下図のように水平になる。このときの総需要曲線に関する記述として、最も適切なものを選択肢の中から選べ。
問題文の画像
  • 物価が下落しても、利子率が低下しないため、投資支出は不変である。したがって、総需要曲線は垂直になる。
  • 物価が下落すると、利子率が低下して、投資支出が増加する。したがって、総需要曲線は右下がりになる。
  • 物価が下落すると、利子率は低下しないが、投資支出が増加する。したがって、総需要曲線は右下がりになる。
  • 物価が下落すると、利子率は低下するが、投資支出は不変である。したがって、総需要曲線は垂直になる。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は1です。

「流動性のわな」に関する問題です。通常であれば利子率が低下すると世の中の実質的貨幣供給が増えるのでお金の値打ちが下がり利子率は低下します。ところが流動性のわなでは物価が変化しても利子率が変わらないことになります。

各選択については、以下の通りです。

1→適切です。流動性のわなでは物価が変わっても利子率が変わらないので、投資にも変化がなく所得もかわりません。よって総需要曲線は垂直になります。

2→流動性のわなでは、物価が変わっても利子率は変わりません。

3→1の通り適切ではありません。

4→流動性のわなでは、物価が変わっても利子率は変わりません。

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02

流動性のわなが発生している状況での総需要曲線の動きに関する問題です。

流動性のわなとは、利子率が最低水準にまで低下して、貨幣の利子弾力性が無限大になっている状況のことです。

すでに利子率は最低水準に低下しているため、物価が下がっても利子率は低下しません

次に、利子率が低下しなければ投資は増加しません

総需要曲線は縦軸が物価、横軸がGDPのグラフです。物価が下がっても、投資が変わらないためGDPも変化しません。そのため描かれるグラフは垂直となります。

選択肢1. 物価が下落しても、利子率が低下しないため、投資支出は不変である。したがって、総需要曲線は垂直になる。
  • 本選択肢が正解です。

選択肢2. 物価が下落すると、利子率が低下して、投資支出が増加する。したがって、総需要曲線は右下がりになる。
  • 本選択肢は不正解です。

選択肢3. 物価が下落すると、利子率は低下しないが、投資支出が増加する。したがって、総需要曲線は右下がりになる。

本選択肢は不正解です。

選択肢4. 物価が下落すると、利子率は低下するが、投資支出は不変である。したがって、総需要曲線は垂直になる。

本選択肢は不正解です。

まとめ

IS-LM分析や本問のような流動性のわなに関する問題は頻出問題といえます。

学習する際は実際にグラフを書くとわかりやすくて効果的です。

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