中小企業診断士の過去問
令和元年度(2019年)
企業経営理論 問2
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和元年度(2019年) 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでは、自社の事業の成長率と相対的な市場シェアとを基準として事業を分類し、戦略事業単位が他の戦略事業単位と製品や市場について相互に関連した統合的な戦略を持つ。
- プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでは、成長市場で市場シェアを維持するために必要な再投資を大きく上回るキャッシュフローをもたらし、資金の投入によって競争優位を維持する「花形」よりも、資金の流出を削減して競争優位を獲得できる「問題児」の選択が重要である。
- プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントでは、「花形」は分野の将来性に大きな魅力があり、特定の事業に対する集中的な投資の主要な資金供給源としても重要であり、「負け犬」からの撤退を支える役割を果たす。
- プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは、事業間のマーケティングや技術に関するシナジーが考慮されていないが、外部技術の導入によって規模の経済を達成することで優位性を構築する事業にも適用できる。
- プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントは、全社的な資源配分の論理の1つとして位置づけられ、成長率の鈍化した業界の「花形」事業の大きな余剰資金と「負け犬」を売却して得た資金を「金のなる木」に集中的に投入して競争優位を維持する。
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この過去問の解説 (2件)
01
PPMは縦軸で市場の成長率、横軸で自社の相対的シェアを置き、個々の事業の位置づけを分析する手法です。本肢は「市場の成長率」ではなく「自社の事業の成長率」としている部分が誤りです。また、事業間のシナジーを考えていないこともPPMの欠点とされています。そのため、戦略事業単位が他の戦略事業単位と製品や市場について相互に関連した統合的な戦略を持つこともありません。
項番2:不適切です。
「花形」は市場が成長している事業です。そのため投資を大きく上回るキャッシュフローをもたらすとは限りません。また「問題児」も「花形」同様に市場が成長している事業ですので、資金の流出を削減することは困難です。
項番3:不適切です。
「花形」は資金の流入も大きいですが、流出も大きいとされています。そのため、資金供給源になるとは限りません。
項番4:適切です。
記述の通りです。
項番5:不適切です。
成長率の鈍化した業界で資金を得られるのは「金のなる木」です。通常、「金のなる木」で得られた資金を「花形」や「問題児」に再投資します。
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02
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する問題です。
選択肢の内容に沿って解説します。
自社の事業の成長率ではなく市場の成長率と自社の相対的な市場シェアとを基準とするのがPPMですのでこの点が誤りです。
問題児は市場の成長率は高いが、自社の相対シェアは低い事業です。したがって資金の流出を削減するのではなく、投資を盛んに行って市場シェアを高めるべき事業ですので、この点が誤りです。
投資の主要な資金供給源となるのは「金のなる木」ですので、この点が誤りです。
正解です。
大きな余剰資金を得られるのは「金のなる木」で、その資金を「花形」や「問題児」に投資するのが本来の形ですので誤りです。
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメントに関する問題でした。その内容とポートフォリオ図の各象限の事業の特徴について整理しておきましょう。
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