中小企業診断士の過去問
令和元年度(2019年)
企業経営理論 問34

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和元年度(2019年) 問34 (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。

原油や原材料価格の低下、あるいは革新的技術の普及は、製造ならびに製品提供にかかる変動費を減少させるため、販売価格の引き下げが検討されるが、価格を下げることが需要の拡大につながらないケースもある。企業は、①需要の価格弾力性や交差弾力性を確認したり、②競合他社の動向や顧客の需要を分析、考慮したりして、価格を決定する。

文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 企業は、製品Aの価格変化が製品Bの販売量にもたらす影響について、交差弾力性の値を算出し確認する。具体的には、製品Aの価格の変化率を、製品Bの需要量の変化率で割った値を用いて判断する。
  • 牛肉の価格の変化が豚肉や鶏肉の需要量に、またコーヒー豆の価格の変化がお茶や紅茶の需要量に影響することが予想される。これらのケースにおける交差弾力性は負の値になる。
  • 消費者が品質を判断しやすい製品の場合には、威光価格が有効に働くため、価格を下げることが需要の拡大につながるとは限らない。
  • 利用者層や使用目的が異なるため、軽自動車の価格の変化は、高級スポーツカーの需要量には影響しないことが予想される。こうしたケースの交差弾力性の値は、ゼロに近い。

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この過去問の解説 (2件)

01

需要の価格弾力性や交差弾力性に関する問題です。

選択肢1. 企業は、製品Aの価格変化が製品Bの販売量にもたらす影響について、交差弾力性の値を算出し確認する。具体的には、製品Aの価格の変化率を、製品Bの需要量の変化率で割った値を用いて判断する。

交差弾力性は、製品Bの需要量の変化率/製品Aの価格の変化率で算出されます。(分母と分子が逆になります)

選択肢2. 牛肉の価格の変化が豚肉や鶏肉の需要量に、またコーヒー豆の価格の変化がお茶や紅茶の需要量に影響することが予想される。これらのケースにおける交差弾力性は負の値になる。

一方の財の価格の変化(ここでは牛肉やコーヒー豆)が、もう一方の財の需要量(ここでは豚肉や鶏肉、お茶や紅茶)に影響を及ぼすのであれば、需要量は増加すると考えられます。その場合、交差弾力性は正の値になります。

選択肢3. 消費者が品質を判断しやすい製品の場合には、威光価格が有効に働くため、価格を下げることが需要の拡大につながるとは限らない。

威光価格が有効に働く場合、消費者は製品の品質を判断しにくいです。

なお、威光価格は、名声価格、プレステージ価格、プレミアム価格、イメージ価格とも言われます。高級腕時計、宝飾品、ブランド品やプレミアム価格で扱われるような奢侈(しゃし)品が威光価格の例として挙げられます。

選択肢4. 利用者層や使用目的が異なるため、軽自動車の価格の変化は、高級スポーツカーの需要量には影響しないことが予想される。こうしたケースの交差弾力性の値は、ゼロに近い。

正解の選択肢となります。

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02

項番1:不適切です。
製品Aの価格変化が製品Bの販売量にもたらす影響について、交差弾力性の値を算出し確認する場合、製品Bの需要量の変化率を、製品Aの価格の変化率で割った値を用いて判断します。

項番2:不適切です。
牛肉の価格の変化が豚肉や鶏肉の需要量に、またコーヒー豆の価格の変化がお茶や紅茶の需要量に影響するとき、一方の財の価格が増加した場合、一方の財の需要量は増加すると考えられます。これらのケースにおける交差弾力性は正の値になります。

項番3:不適切です。
消費者が品質を判断しにくい製品の場合に、威光価格が有効に働きます。

項番4:適切です。
記述の通りです。

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