中小企業診断士の過去問
令和元年度(2019年)
企業経営理論 問36
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和元年度(2019年) 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
製品開発を効果的に行うために、多くの場合、企業担当者は①製品開発プロセスを段階的に管理・実行している。それぞれの段階において、②調査や実験を行い、③それぞれの分析結果に基づき意思決定を繰り返すことで、新製品の成功確率を高めるよう努めている。
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。
製品開発を効果的に行うために、多くの場合、企業担当者は①製品開発プロセスを段階的に管理・実行している。それぞれの段階において、②調査や実験を行い、③それぞれの分析結果に基づき意思決定を繰り返すことで、新製品の成功確率を高めるよう努めている。
文中の下線部①に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 「アイデア・スクリーニング」において、新製品アイデアが多い場合でも取捨選択は十分に時間をかけて慎重に行うべきである。
- 「市場テスト」では、実験用仮設店舗を用いて消費者の反応を確認するよりも、実際の市場環境で十分な時間や予算を投入して製品やマーケティング施策をテストするべきである。
- 開発中の製品および当該製品と競合する既存製品を対象に、消費者の「知覚マップ」を作成した場合、開発中の製品が空白領域に位置づけられたとしても、その製品に消費者ニーズや市場性があるとは限らない。
- 新製品アイデアのスクリーニングの次に、アイデアを具現化させるための試作品開発段階である「プロトタイピング」に移る。製品アイデアを具体的な製品属性に落とし込む作業であるため、通常、技術担当者に全権が委ねられる。
- 新製品開発に際して、市場規模を推定することは、製品開発の実現に投じる費用を誤って算定することにつながるため、不要である。
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この過去問の解説 (2件)
01
製品開発プロセスに関する問題です。
取捨選択は十分に時間をかけて慎重に行うべきではありません。取捨選択に時間がかかると競合他社に遅れを取る可能性があり、また、不要なアイデアを存続させてしまうリスクもあります。
アイデアの絞り込み段階であるため、明確な基準を設けて消費者に受容される可能性の高いアイデアのみをスピート感を持って次の開発段階へ進めるべきです。
実験用仮設店舗を用いて消費者の反応を確認してから、実際の市場環境で十分な時間や予算を投入して製品やマーケティング施策をテストするべきです。
消費者の反応を検証した結果を製品やマーケティング施策に盛り込むことで、実際の市場環境でより消費者の反応に近いアクションを取りやすくなります。
正解の選択肢となります。
開発中の製品が空白領域に位置づけられるということは、消費者自身がまだ気付いていない未開拓の市場が存在する可能性があります。または、本当に存在しない可能性もあります。(空白領域なので、市場の有無は誰にも分からない状態です)
プロトタイピングは製品アイデアを具体的な製品属性に落とし込む作業であることは正しいですが、技術担当者に全権が委ねられるわけではありません。
技術担当者に全権を委ねてしまうと、彼らの作りたい製品や作りやすい製品が出来上がる可能性が高いです。また、ユーザーの使い勝手や外観などのデザイン、カラーリングといった観点を技術担当者が考慮するかどうかは分かりません。そのため、営業、マーケティング、開発といった様々な分野の担当者の意見も製品属性に落とし込まれる必要があります。
市場規模を推定しないことが、製品開発の実現に投じる費用を誤って算定することにつながる可能性があります。
本選択肢では、「不要である」という怪しい100%断定表現が用いられています。本選択肢を読んで判断する前に、この「不要である」が出てきた時点で不適切であるという嗅覚を働かせたいところです。
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02
新製品アイデアが多い場合に取捨選択は十分に時間をかけることが適しているとは限りません。
項番2:不適切です。
市場テストにおいては、実際の市場環境よりも小さな市場などを活用して市場に受け入れられるかどうかを実験します。
項番3:適切です。
記述の通りです。
項番4:不適切です。
「プロトタイピング」の段階に移っても技術担当者に全権が委ねられるわけではありません。
項番5:不適切です。
新製品開発に際して、市場規模を推定することは、製品開発の実現に投じる費用を算定するために必要です。
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