中小企業診断士 過去問
令和元年度(2019年)
問120 (運営管理 問29)

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問題

中小企業診断士試験 令和元年度(2019年) 問120(運営管理 問29) (訂正依頼・報告はこちら)

店舗Xのある月の営業実績は下表のとおりである。この表から計算される相乗積に関する記述として、最も適切なものを選択肢の中から選べ。
問題文の画像
  • カテゴリー A ~ E の合計の販売金額が 2 倍になると、各カテゴリーの相乗積の合計も 2 倍になる。
  • カテゴリー Aの相乗積は 50%である。
  • カテゴリー Aの販売金額も粗利益率も変わらず、他のカテゴリーの販売金額が増加すると、カテゴリー Aの相乗積は減少する。
  • カテゴリー Bはカテゴリー Cよりも相乗積が大きい。
  • 相乗積が最も大きいカテゴリーは、カテゴリー Eである。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

相乗積は、「販売金額構成比×粗利益率」で算出されます。
各商品カテゴリーの相乗積を求めると、
A:25×20%=5%
B:15×20%=3%
C:10×30%=3%
D:30×40%=12%
E:20×50%=10% となります。

1→全カテゴリーの販売金額が2倍になっても、構成比もしくは粗利益率が変わらなければ相乗積は変わりません。よって誤りです。

2→カテゴリーAの相乗積は5%です。よって誤りです。

3→カテゴリーAの販売金額・粗利益率は変わらず、他のカテゴリーの販売金額が増加すると、カテゴリーAの販売金額構成比が減少する為、相乗積も減少します。よって正解です。

4→カテゴリーBとカテゴリーCの相乗積はともに3%です。よって誤りです。

5→相乗積が最も大きいのはカテゴリーDの12%です。よって誤りです。

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02

【基礎知識】

相乗積の問題です。

相乗積とは、売上構成比×粗利益率のことになります。

相乗積の合計は全体の粗利益率になります。なぜならカテゴリーごとの相乗積は以下の式に分解できます。

売上構成比=カテゴリーの売上高 / 全体の売上高

粗利益率=カテゴリーの粗利益 / カテゴリーの売上高

で、両式を掛け合わすと、カテゴリーの売上高が約分されて、

相乗積=カテゴリーの粗利益 / 全体の売上高となります。

すべてを足すと、

全体の粗利益 / 全体の売上高 となります。

よって

 相乗積 = 売上構成比×粗利益率 = 粗利益 / 売上高 となります。

相乗積により、どのカテゴリーの商品の販売を増やすと利益にどれだけ貢献するかなどを分析することができます。

選択肢1. カテゴリー A ~ E の合計の販売金額が 2 倍になると、各カテゴリーの相乗積の合計も 2 倍になる。

販売額がすべて2倍になっても、売上構成比、粗利益率ともに変化しないので相乗積は変わりませんので誤り。

選択肢2. カテゴリー Aの相乗積は 50%である。

25%×20%=500となり、誤り。

選択肢3. カテゴリー Aの販売金額も粗利益率も変わらず、他のカテゴリーの販売金額が増加すると、カテゴリー Aの相乗積は減少する。

Aの販売金額が変わらず、全体の売上高が増加すると、売上構成比が低下しますので、Aの相乗積は低下します。よって正しい。

選択肢4. カテゴリー Bはカテゴリー Cよりも相乗積が大きい。

B 300 C 300 で同じですので、誤り。

選択肢5. 相乗積が最も大きいカテゴリーは、カテゴリー Eである。

Eは20%×50%=1000ですが、Dは30%×40%=1200ですので、Dの方が大きい。よって誤り。

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03

相乗積に関する問題です。相乗積の計算式は、各カテゴリーの「販売金額の構成比×粗利益率」により求まります。

 

 

なお、相乗積は部門や商品群といったカテゴリーごとの利益貢献度を測るための指標であるため、各カテゴリーの相乗積の合計は各カテゴリーの粗利益率の合計と一致するという特徴があります。

選択肢1. カテゴリー A ~ E の合計の販売金額が 2 倍になると、各カテゴリーの相乗積の合計も 2 倍になる。

冒頭の解説より、カテゴリーA~Eの粗利益率の合計が2倍になると各カテゴリーの相乗積の合計も2倍になるため不適切な選択肢です。

選択肢2. カテゴリー Aの相乗積は 50%である。

カテゴリーAの相乗積を計算すると5%(0.25×0.20=0.05)となるため不適切な選択肢です。

選択肢3. カテゴリー Aの販売金額も粗利益率も変わらず、他のカテゴリーの販売金額が増加すると、カテゴリー Aの相乗積は減少する。

本選択肢を正誤判断するためには、カテゴリーA以外のカテゴリーの販売金額に仮の数字を置かなければならず、計算の手間が非常に大きくなります。

 

そのため、本問については他の選択肢の正誤判断の結果から消去法で判断することになります(本問で正誤判断することは避ける)。

 

相乗積の計算式が各カテゴリーの「販売金額の構成比×粗利益率」あることから、カテゴリーA以外の販売金額が増加するとカテゴリーAの相乗積は減少するため正解の選択肢となります。

選択肢4. カテゴリー Bはカテゴリー Cよりも相乗積が大きい。

カテゴリーBの相乗積を計算すると、3%(0.15×0.20=0.03)となります。

カテゴリーCの相乗積を計算すると、3%(0.10×0.30=0.03)となります。

 

したがって、カテゴリーBとカテゴリーCの相乗積は同じであるため不適切な選択肢です。

選択肢5. 相乗積が最も大きいカテゴリーは、カテゴリー Eである。

全ての商品カテゴリーで相乗積が最も大きいカテゴリーはDの12%(0.30×0.40=0.12)であるため、不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

本問では、出来るだけ相乗積の計算の手間を省くように正誤判断したいところです。

 

相乗積の計算式が頭に入っていれば、相乗積が最も大きいカテゴリーといった問題はある程度推測できます。(販売金額の構成比、粗利益率ともに大きいカテゴリーを選べば良い)

 

単位も取り払って、「2.0×5.0→2×5で10、2.5×2.0→2.5の2倍で5」のように簡便に計算できるように過去問題を使ってトレーニングしておきましょう。

 

相乗積はよく出題されており、計算式も複雑ではないため必ず覚えて過去問題で対策して解けるようにしておきましょう。

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