中小企業診断士の過去問
令和元年度(2019年)
運営管理 問38

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和元年度(2019年) 問38 (訂正依頼・報告はこちら)

物流センターの運営に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • ASNを用いた入荷検品は、商品の外箱に印字されたITFシンボルや、混載の場合に外箱に貼付されたSCMラベルを読み取った情報と、ASNとを照合することで完了する。
  • 個装には、内容物を保護したり、複数の商品を 1 つにまとめて取り扱いやすくしたりする機能がある。
  • 固定ロケーション管理は、在庫量が減少しても、保管スペースを有効に活用できるため、保管効率が高い。
  • 摘み取り方式ピッキングは、商品ごとのオーダー総数をまとめて取り出した後、オーダー別に仕分けることである。
  • トラックドライバーが集品先または納品先の荷主の倉庫内でフォークリフトを使用することは、法律で禁止されている。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

正解は1です。

1→ASNとは事前出荷明細を指します。送り先に出荷物の電子データを事前に送付し、入荷側で入荷物の外箱に示されるITFシンボルやSCMラベルを読み取り、一致するかを確認することで外箱を開けることなく検品が可能となり、作業を軽減します。

よって正解です。

ITFシンボルは、集合包装用商品コード(GTIN-14)で表示されています。

SCMラベルは、複数の商品が混在している場合に使用されるコードです。

2→包装には「個装」「内装」「外装」があり、「個装」は個々の内容物の価値を高めたり、保護したりするための包装方法を指します。複数の商品をまとめる際に用いられる方法ではないです。よって誤りです。

「内装」は、内容物の保護を目的とした包装、

「外装」は、既に内装などがされた容器などの更に外部に施す包装です。

3→固定ロケーション管理は、特定の場所に特定の商品を置く在庫管理方法を指します。

在庫の管理はしやすいですが、特定商品以外を該当の場所に置かないため、保管効率が悪いです。よって誤りです。

4→「摘み取り方式ピッキング」(シングルピッキング)は、出荷の際、注文ごとに商品を棚から集めて出荷する方法です。選択肢の説明は「種まき方式ピッキング」(トータルピッキング)について述べています。よって誤りです。

「種まき方式ピッキング」(トータルピッキング)は、商品ごとのオーダー総数をまとめて取り出した後、オーダー別に仕分ける方法です。

5→トラックドライバーはフォークリフトの免許を取得していれば、集品先または納品先の荷主の倉庫内でフォークリフトを使用することができます。荷主側の人員確保の必要がなくなるため、効率が良いです。よって誤りです。

参考になった数7

02

【基礎知識】

語句の理解が問われている問題です。まず出題されている語句について整理します。

ASN:Advanced Shipping Noticeのことで、納入業者が納品先に対して納品予定日、発注番号、数量などの情報を事前に通知する電子データのことを言います。

これにより、納品先は事前に情報を把握できますので検品や在庫管理を効率化できます。

ITFシンボル:商品等を管理していくために、GTIN(JAN)と呼ばれるコードが共通で定められています。

特に14桁のものをGTIN-14、集合包装用商品コードと呼んでいます。商品を箱で管理するときにその箱につけられる番号になります。

この番号は数字で書かれるのではなく、管理しやすいようにバーコードになっています。ITFシンボルとはこのバーコードの表示のことになります。サイズや表示位置についても定められています。

SCMラベル:ITFは同じ商品などのコードになるのに対して、SCMラベルは複数の商品がパッケージされているものに使われます。

例えばAクッキーばかりを詰めた箱にはITFシンボルが表記されていますが、Aクッキー、B饅頭、C食品など色んなものがパッケージされて届く場合はSCMラベルというものが貼付されます。ASNと合わせて使うことで検品作業が効率化されます。

個装:JISの定義では、「物品個々の包装で、物品の商品価値を高めるためもしくは物品個々を保護するための適切な材料、容器、それらを物品に施す技術または施した状態。商品として表示などの情報伝達の媒体にすることもできる。」と定められています。

固定ロケーション:商品の保管場所をあらかじめ決めておく管理方法です。

出荷、納入頻度などを加味し、頻繁に出入りのある商品を出入口付近に持ってくるなどの運営ができる一方、商品がなくても場所を確保しておく必要性があり、無駄が生じる場合もあります。

これに対して保管場所を決めずに都度整理する方法をフリーロケーションと言います。スペースの有効活用ができますが、ピッキングが困難といったデメリットがあります。またピッキングエリアは固定ロケーション、ストックエリアはフリーロケーションで管理するダブルトランザクションという方法もあります。

摘み取りピッキング方式:1つの出荷オーダーごとに商品をピッキングする方式です。作業はシンプルですが、オーダーごとに動きの重複が出て非効率になるといったデメリットがあります。これに対して、複数の出荷先のオーダーの商品を一気にピッキングし、あとで個別に振り分ける種まきピッキング方式もあります。

選択肢1. ASNを用いた入荷検品は、商品の外箱に印字されたITFシンボルや、混載の場合に外箱に貼付されたSCMラベルを読み取った情報と、ASNとを照合することで完了する。

正しい。事前にASNが送られて、SCMラベルやITFシンボルでチェックすることで効率的な検品ができる。

選択肢2. 個装には、内容物を保護したり、複数の商品を 1 つにまとめて取り扱いやすくしたりする機能がある。

個装は個々の商品に足して施されるもので、まとめるために使われない。よって誤り。

選択肢3. 固定ロケーション管理は、在庫量が減少しても、保管スペースを有効に活用できるため、保管効率が高い。

商品スペースは確保する必要があり、保管スペースが有効に活用されないため誤り。

選択肢4. 摘み取り方式ピッキングは、商品ごとのオーダー総数をまとめて取り出した後、オーダー別に仕分けることである。

種まきピッキングのこと。誤り。

選択肢5. トラックドライバーが集品先または納品先の荷主の倉庫内でフォークリフトを使用することは、法律で禁止されている。

フォークリフトは資格があれば運転は可能なため、誤り。

参考になった数4