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中小企業診断士の過去問 令和元年度(2019年) 経営法務 問10

問題

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以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、X株式会社の代表取締役 α 氏との間で行われたものである。この会話を読んで、下記の設問に答えよ。

α 氏 :「今度、人気マンガ家のYさんに、当社の企業キャラクターを創ってもらうことになりました。将来的には着ぐるみやアニメを作って活用する予定です。Yさんからその著作権の譲渡を受けるために、次の契約書を作ってみたのですがどうでしょうか。」
*************************************
Y(以下「甲」という。)とX株式会社(以下「乙」という。)とは、キャラクターの絵柄作成業務の委託に関し、以下のとおり契約を締結する。
第 1 条(委託)
乙は、甲に対し、以下をテーマとするキャラクターの絵柄(以下「本著作物」という。)の作成を委託し、甲はこれを受託した。
テーマ:乙が広告に使用するマスコットキャラクター
第 2 条(納入)
( 1 )甲は乙に対し、本著作物をJPEGデータの形式により、2019年 10月末日までに納入する。
( 2 )乙は、前項の納入を受けた後速やかに納入物を検査し、納入物が契約内容に適合しない場合や乙の企画意図に合致しない場合はその旨甲に通知し、当該通知を受けた甲は速やかに乙の指示に従った対応をする。
第 3 条(著作権の帰属)
本著作物の著作権は、対価の完済により乙に移転する。
第 4 条(著作者人格権の帰属)
本著作物の著作者人格権は、対価の完済により乙に移転する。
第 5 条(保証)
甲は、乙に対し、本著作物が第三者の著作権を侵害しないものであることを保証する。
第6条(対価)
乙は甲に対し、本著作物の著作権譲渡の対価、その他本契約に基づく一切の対価として、金 1,500,000 円(消費税別途)を、2019年 11月末日までに支払う。
本契約締結の証として、本契約書 2 通を作成し、甲乙記名押印の上、各自 1 通を保持する。

2019年  月  日
甲 Y      印
乙 X株式会社代表取締役  α  印
*************************************
あなた:「そうですね。まず第 3 条については( A )、検討が必要です。また、第 4 条については( B )。詳細は弁護士に確認した方がよいと思いますので、もしよろしければ、著作権に詳しい弁護士を紹介しますよ。」
α 氏 :「著作権の契約はなかなか難しいですね。よろしくお願いします。」

会話の中の空欄Aに入る記述として、最も適切なものはどれか。
なお、著作権法の第 21 条、第 27 条及び第 28 条において規定される権利は次のとおりである。
第21条:複製権
第27条:翻訳、翻案等する権利
第28条:二次的著作物の利用に関する原著作者の権利
   1 .
著作権は著作者の一身に専属し、譲渡することができませんから
   2 .
著作権法第 21 条から第 28 条の権利は、そもそも対価を支払った者に自動的に移転しますから
   3 .
著作権法第 21 条から第 28 条の全ての権利を特掲しないと、特掲されなかった権利は譲渡した者に留保されたと推定されますから
   4 .
著作権法第 27 条と第 28 条の権利は特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保されたと推定されますから
( 中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和元年度(2019年) 問10 )
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この過去問の解説 (2件)

8
正解は4です。

本問において、契約書の第3条は「本著作物の著作権は、対価の完済により乙に移転する。」と規定しています。これは著作財産権の移転についてを指しています。
著作権を譲渡する場合、その全部または一部を譲渡することができますが、著作権を譲渡する契約において、著作権法第 27 条(翻訳、翻案等する権利)と第 28 条(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)の権利は特掲されていない時、これらの権利は譲渡した者に留保されたと推定されるとされています。
よって空欄Aには、「著作権法第27 条と第28 条の権利は特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保されたと推定されますから」が入ります。

1→上記より、誤りです。

2→上記より、誤りです。

3→上記より、誤りです。

4→上記より、正解です。

付箋メモを残すことが出来ます。
3

【基礎知識】

著作権は著作財産権と著作人格権に分かれます。

著作財産権はコピーする権利である複製権や放映する放映権など主に産業的な利用を様々な権利をきめ細かく定めています。

様々な個々の権利は、主に著作権法21条から28条に定められており、利用するためには著作者の許可を得る必要があります(このように分かれている権利を支分権といいます)。

また、27条、28条は特に明確にこの権利を譲渡することが記載されていないと、留保(著作者に残ったまま)とすると61条で定められています。よって、この2つは契約等で明確にしていく必要があります。

著作人格権は著作物を通して、著作者が表現しようとしていることを守るためにあります。

この権利は著作者を守るためのものであり、他人に譲ることができません。

通常、契約は個人間の合意の下で成り立つものであることから、法律<契約となり、契約が優先されます。これをオーバーライドと言います。しかし、公序良俗などの理由で、オーバーライドできない法律(これを強行規定と言います)が定められており、著作権では、著作人格権がそれにあたります。

よって、契約で譲ることはできないので、一般的にはこの権利を行使しない旨の契約を交わしたりします。

選択肢1. 著作権は著作者の一身に専属し、譲渡することができませんから

著作権(財産権)は譲渡可能。譲渡不可能なのは著作人格権。よって誤り。

選択肢2. 著作権法第 21 条から第 28 条の権利は、そもそも対価を支払った者に自動的に移転しますから

27条、28条の権利については特掲(明確に記載すること)が必要。そうでない場合、譲渡されていないとみなされる。よって誤り。

選択肢3. 著作権法第 21 条から第 28 条の全ての権利を特掲しないと、特掲されなかった権利は譲渡した者に留保されたと推定されますから

21条は特掲の必要がないため、誤り。

選択肢4. 著作権法第 27 条と第 28 条の権利は特掲しないと、これらの権利は譲渡した者に留保されたと推定されますから

将来的に着ぐるみやアニメなどの二次利用を考えているため、特掲していないと権利が譲渡されないため、正しい。

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