中小企業診断士の過去問
令和元年度(2019年)
経営法務 問14

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和元年度(2019年) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

以下の会話は、中小企業診断士であるあなたと、玩具メーカーのX株式会社の代表取締役甲氏との間で本年 8 月に行われたものである。会話の中の空欄AとBに入る語句の組み合わせとして、最も適切なものを選択肢の中から選べ。

あなた:「先月の業界誌で、御社の新製品が好評との記事を読みました。」
甲氏 :「はい、6月に大規模展示施設の展示会で発表したのですが、おかげさまで、クリスマス商戦に向けて引き合いがたくさん来ています。」
あなた:「この製品、外観がとてもユニークですが、意匠登録出願はされましたか。」
甲氏 :「実をいうと、こんなに売れるとは思っていなかったので、意匠登録出願に費用をかけなかったんです。こんなに好評なら、模倣品対策のため、発表前に出願しておけばよかったです。」
あなた:「( A )の規定を用いれば、意匠登録出願することができる場合がありますよ。」
甲氏 :「本当ですか。どのくらいの期間認められているのでしょう。」
あなた:「今回の場合は、展示会に出品した日が起算日になると思いますが、その日から( B )間です。」
甲氏 :「よかった、まだ間に合いそうです。急いで特許事務所に相談してみます。」
  • A:国内優先権     B:6か月
  • A:国内優先権     B:1年
  • A:新規性喪失の例外  B:6か月
  • A:新規性喪失の例外  B:1年

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は4です。

意匠の登録要件には「新規性」が必要であり、論文や展示会で発表した製品はこの要件を満たさないことになります。ただし、一切の登録を許可しないとすると産業の発達に悪影響を及ぼすため、新規性喪失の例外の規定を設けています。

なお、平成30年(2018年)の法改正により、新規性喪失の例外期間が6か月から1年に延長されました。本設問は、前年の法改正の内容を論点としています。

各選択肢については、以下のとおりです。

1→国内優先権とは、日本国内で出願した内容について後から追加を認める権利ですが、会話の内容には合いません。なお、国内優先権に基づく出願は、先の出願から1年間です。

2→選択肢1の通りです。

3→新規性喪失の例外の適用を受けることで、意匠登録出願できる可能性があります。ただし、期間は1年です。

4→適切です。選択肢3の通りです。

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02

【基礎知識】

意匠登録をしていなかった場合に、あとから意匠権を獲得する方法として、以下の2つの方法があります。

・ 国内優先権 →先の出願内容を後の出願に含めて1年以内に出願すれば、その部分の新規性、進歩性などの判断基準日が先の出願日と見做されること。1年以内に後の出願が必要。

・ 新規性喪失の例外→何らかの形で意匠を披露するなど、特定の条件下で意匠を公開した後に意匠登録出願した場合には、先の公開によってその意匠の新規性が喪失しないものとして取り扱う新規性喪失の例外規定(意匠法第4条)が設けられています。平成30年に改正があり、6か月以内だった期間が1年以内に延長されました。

【選択肢評価】

国内優先権は意匠権の出願をした後に、関連する出願を後でした場合に適用されるルールになります。

よって、Aは新規性喪失の例外になります。Bは1年に延長されています。

選択肢1. A:国内優先権     B:6か月

上記説明より、不適切です。

選択肢2. A:国内優先権     B:1年

上記説明より、不適切です。

選択肢3. A:新規性喪失の例外  B:6か月

上記説明より、不適切です。

選択肢4. A:新規性喪失の例外  B:1年

正解です。

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