中小企業診断士の過去問
令和元年度(2019年)
経営法務 問18
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和元年度(2019年) 問18 (訂正依頼・報告はこちら)
中小企業診断士であるあなたと株式会社Xの代表取締役甲氏との間の以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。
甲氏 :「弊社は、現在、自社ブランド製品について、外国の販売業者と取引を開始しようと考えています。先方から届いた契約書案を検討しているのですが、以下の規定について教えてください。
Title & Risk
Risk of loss of the Products sold by Seller under this Agreement shall pass to Purchaser upon Purchaser’s acceptance of delivery of the same at the Designated Delivery Site,and title of the Products shall pass to Purchaser only upon full payment therefor.」
あなた:「この規定は、危険負担と所有権の移転に関する条項です。このうち、( A )については、( B )に移転するものと定められています。また、( C )については、( D )に移転するものと定められています。なお、( C )については、貿易取引条件の解釈の誤解や行き違いを回避する目的で、国際商業会議所が制定したインコタームズという規則がありますので、それによることも考えられます。」
会話の中の空欄 A ~ D に入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
甲氏 :「弊社は、現在、自社ブランド製品について、外国の販売業者と取引を開始しようと考えています。先方から届いた契約書案を検討しているのですが、以下の規定について教えてください。
Title & Risk
Risk of loss of the Products sold by Seller under this Agreement shall pass to Purchaser upon Purchaser’s acceptance of delivery of the same at the Designated Delivery Site,and title of the Products shall pass to Purchaser only upon full payment therefor.」
あなた:「この規定は、危険負担と所有権の移転に関する条項です。このうち、( A )については、( B )に移転するものと定められています。また、( C )については、( D )に移転するものと定められています。なお、( C )については、貿易取引条件の解釈の誤解や行き違いを回避する目的で、国際商業会議所が制定したインコタームズという規則がありますので、それによることも考えられます。」
会話の中の空欄 A ~ D に入る語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
- A:危険負担 B:代金支払時 C:所有権 D:引渡時
- A:危険負担 B:引渡時 C:所有権 D:代金支払時
- A:所有権 B:代金支払時 C:危険負担 D:引渡時
- A:所有権 B:引渡時 C:危険負担 D:代金支払時
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は3です。
危険負担(Risk)と所有権(Title)の移転に関する設問です。
危険負担とは、契約後にいずれの責にもよらずに目的物が滅失などした場合に、そのリスクをどちらが負担するかという問題のことです。
本条項の内容は、以下のとおりです。
「本契約に基づいて販売者が販売した製品の損失のリスクは、購入者が指定配送地点で製品の配送を受け入れたときに購入者に渡され、製品の所有権は、その全額が支払われた場合にのみ購入者に渡されます。」
各選択肢については、以下のとおりです。
1→上記内容の通り、危険負担と所有権の移転の組合せが反対です。
2→危険負担と所有権の移転の組合せは正しいですが、後半のインコタームズに関する記述から、空欄Cは所有権とはなりません。
3→適切です。インコタームズとは、貿易取引に関する国際規則で、危険負担および手続き・費用負担に関して規定しています。よって、空欄Cは危険負担となります。
4→上記内容の通り、危険負担と所有権の移転の組合せが反対です。
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02
【基礎知識】
英語の契約書についての問題です。
取引がグローバル化していく中で、貿易取引における費用負担や範囲、取引条件などの共通的な取り決めを定めたものがインコタームズになります。
現在2020年度版が使われており、13種類の貿易取引条件が制定されています。
インコタームズは国際取引において、条件面での誤解を防ぐ効果もありますが、以下のような留意点もあります。
・バージョンによって定義が異なる場合があるため、バージョンも記載してしておく方がベター。
例えば2020年度版は危険負担は船に置かれた段階で移転とされているが、前のバージョンでは船の手すりを通過した段階となっており、船の中での移動に伴う落下リスクなどの負担にずれがあるなど。
・所有権の移転については定められていないため、契約書で定める必要がある。
【選択肢評価】
危険負担と所有権の移転の時期がポイントになっています。最後の「なお」以降でインコタームズによるとありますので、cは危険負担であることがわかります。
危険負担(Risk of loss)は購入側の配達受入れ時、つまり引渡し時となっています。所有権の移転は代金支払い時となっています。
よって、A所有権、B代金支払時、C危険負担、d引渡時となります。
上記説明より、不適切です。
上記説明より、不適切です。
正解です。
上記説明より、不適切です。
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