中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
経済学・経済政策 問9

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経済学・経済政策 令和2年度(2020年) 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

トービンのqに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 企業の株価総額と現存の資本の買い替え費用の総額が等しいとき、企業は新規の投資を増やす。
  • 企業の市場価値が資本の再取得価格を下回るとき、企業は新規の投資を実行する。
  • 企業の市場価値と投資費用が等しいとき、企業は新規の投資を増やす。
  • 資本投資の予想収益が投資費用よりも大きいとき、企業は新規の投資を実行する。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は4です。

トービンのqは、企業の市場価値と資本の再取得価格によって、新規の投資の意思決定が行われるという理論です。

トービンのq=企業の市場価値 / 資本の再取得価格

上記式で、q>1ならば新規の投資を実行し、q<1ならば投資を控えるべきであると意思決定します。

各選択肢については、以下のとおりです。

1→トービンのqの分子は、企業の株価総額だけではなく負債総額も含めた企業の市場価値になります。また、企業の市場価値と現存の資本の買い替え費用の総額が等しい(q=1)とき、企業は新規の投資を増やしません。

2→企業の市場価値が資本の再取得価格を下回る(q<1)とき、企業は新規の投資を実行しません。

3→企業の市場価値と投資費用が等しい(q=1)とき、企業は新規の投資を増やしません。

4→適切です。企業の市場価値には資本投資の予想収益が含まれており、これが投資費用よりも大きい(q>1)とき、企業は新規の投資を実行します。

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02

トービンのqとは、企業に対する投資理論を説明するものです。

計算式は以下の通りです。

トービンのq = 企業の市場価値(株式時価総額 + 負債総額) / 資本の再取得価格

これが1よりも多いときは、資本の再取得価格よりも企業価値が大きいと判断されるため、投資家は投資しますし、1よりも小さいときは投資をしない、という考え方を表します。

上記の内容を踏まえて選択肢の正誤を確認します。 

選択肢1. 企業の株価総額と現存の資本の買い替え費用の総額が等しいとき、企業は新規の投資を増やす。

冒頭の説明より誤りです。

選択肢2. 企業の市場価値が資本の再取得価格を下回るとき、企業は新規の投資を実行する。

冒頭の説明より誤りです。

選択肢3. 企業の市場価値と投資費用が等しいとき、企業は新規の投資を増やす。

冒頭の説明より誤りです。

選択肢4. 資本投資の予想収益が投資費用よりも大きいとき、企業は新規の投資を実行する。

正解です。

まとめ

トービンのqに関する問題です。平易な内容ですのでしっかり覚えておきましょう。

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