中小企業診断士 過去問
令和2年度(2020年)
問10 (経済学・経済政策 問10)

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問題

中小企業診断士試験 令和2年度(2020年) 問10(経済学・経済政策 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

失業に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 完全失業率は、完全失業者が20歳以上の労働力人口に占める割合である。
  • 構造的失業は、賃金が伸縮的であれば発生しない。
  • 循環的失業は、総供給の不足によって生じる。
  • 摩擦的失業は、労働市場が正常に機能していても発生する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

各選択肢については、以下のとおりです。

1→完全失業率は、完全失業者が15歳以上の労働力人口に占める割合のことです。

2→構造的失業とは、雇用主が求めるスキル・年齢・勤務地などの特性と、労働者の持つ特性が一致しないことで発生する失業のことです。賃金が伸縮的であっても発生します。

3→循環的失業とは、景気循環によって起きる失業のことで、景気の後退によって増加します。よって、総供給の不足ではなく総需要の不足によって生じます。

4→適切です。摩擦的失業とは、職探しの期間に生じる失業のことで、労働市場が正常に機能していても発生します。

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02

失業に関する問題です。

選択肢の内容に沿って解説していきます。

①完全失業率とは、労働力人口に占める完全失業者の割合のことです。労働力人口は15歳以上の人口のうち、就業者と完全失業者を合わせたものです。

②構造的失業とは、雇用主が労働者に求める属性と、失業中の労働者が持つ属性のずれによって生じる失業です。賃金が伸縮的(需要と供給の関係によって変動すること)であっても発生します。

③循環的失業とは、景気変動によって生じる失業です。総需要の不足によって生じます。

④摩擦的失業とは、労働者があらたに就職や転職をしようとする期間に生じる失業です。

以上の内容から選択肢の正誤を確認します。

選択肢1. 完全失業率は、完全失業者が20歳以上の労働力人口に占める割合である。

冒頭の説明の通り誤りです。

選択肢2. 構造的失業は、賃金が伸縮的であれば発生しない。

冒頭の説明の通り誤りです。

選択肢3. 循環的失業は、総供給の不足によって生じる。

冒頭の説明の通り誤りです。

選択肢4. 摩擦的失業は、労働市場が正常に機能していても発生する。

正解です。

まとめ

失業に関する問題でした。用語の意味を整理しておきましょう。

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03

失業に関する問題ですが、失業の種類(構造的失業、循環的失業、摩擦的失業)についての知識がないと正答することは難しいかもしれません。

 

失業の種類については、各選択肢内で解説します。

選択肢1. 完全失業率は、完全失業者が20歳以上の労働力人口に占める割合である。

完全失業率は、完全失業者が15歳以上の労働力人口に占める割合であるため不適切な選択肢です。

 

※労働力人口とは、15歳以上の人口のうち就業者と完全失業者を合わせた人口をいいます。

選択肢2. 構造的失業は、賃金が伸縮的であれば発生しない。

構造的失業は、賃金が伸縮的であっても発生するため不適切な選択肢です。

 

構造的失業とは、企業が求職者がもつスキルや経験が企業の求める水準と合致しないために発生する失業のことです。

つまり、構造的失業はミスマッチにより発生する失業であるといえます。

選択肢3. 循環的失業は、総供給の不足によって生じる。

循環的失業は、総需要の不足によって生じるため不適切な選択肢です。

 

循環的失業とは、不景気の時に生じる失業のことです。

景気が悪いと企業は事業活動を縮小するため、労働需要も減少して失業が増加します。

選択肢4. 摩擦的失業は、労働市場が正常に機能していても発生する。

摩擦的失業は、労働市場が正常に機能していても発生するため正解の選択肢となります。

 

摩擦的失業とは、労働者がより良い内容の仕事やより良い条件の仕事を探して転職活動を行なうことで発生する失業のことです。

つまり、労働市場が正常に機能していても転職しようとする人はいるので、摩擦的失業が発生します。

まとめ

【補足】

 

構造的失業、循環的失業、摩擦的失業も、毎年ではないものの時々出題されます。

・構造的失業→産業構造の変化によって生じる失業

・循環的失業→景気の変動によって生じる失業

・摩擦的失業→仕事上のトラブル(人間関係の衝突、待遇への不満など)によって生じる失業

など、各自が覚えやすいように工夫して覚えておけば、正答できる可能性が高まります。

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