中小企業診断士 過去問
令和2年度(2020年)
問11 (経済学・経済政策 問11)
問題文
a SNSを利用したクーポンは、メニュー・コストを引き下げるため、価格の硬直性の要因となる。
b 企業が優秀な人材を確保するために効率賃金の水準で賃金を支払うことは、賃金の下方硬直性の要因となる。
c 消費者の属性に応じて多様な価格設定を用意することは、メニュー・コストを引き上げるため、価格の硬直性の要因となる。
d 名目賃金よりも価格が下方硬直的であることは、実質賃金の下方硬直性の要因となる。
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問題
中小企業診断士試験 令和2年度(2020年) 問11(経済学・経済政策 問11) (訂正依頼・報告はこちら)
a SNSを利用したクーポンは、メニュー・コストを引き下げるため、価格の硬直性の要因となる。
b 企業が優秀な人材を確保するために効率賃金の水準で賃金を支払うことは、賃金の下方硬直性の要因となる。
c 消費者の属性に応じて多様な価格設定を用意することは、メニュー・コストを引き上げるため、価格の硬直性の要因となる。
d 名目賃金よりも価格が下方硬直的であることは、実質賃金の下方硬直性の要因となる。
- a と b
- a と d
- b と c
- c と d
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
メニュー・コスト理論に関する問題です。
メニュー・コスト理論とは、メニューの変更に要する費用(メニュー・コスト)が、価格変更によって得られる利益よりも大きいとき、価格が硬直的になるという理論です。
各記述については、以下の通りです。
a→SNSを利用したクーポンは、メニュー・コストを引き下げるため、価格変更による利益の方が大きくなり、価格は硬直的にはなりません。
b→適切です。効率賃金とは企業の均衡賃金を上回る賃金のことです。優秀な人材を効率賃金で確保した場合、人材定着のためには賃金を下げづらくなるため、賃金は下方硬直的となります。
c→適切です。多様な価格設定を用意することは、メニュー・コストを引き上げるため、価格変更による利益の方が小さくなり、価格は硬直的になります。
d→実質賃金よりも価格が下方硬直的であることは、名目賃金の下方硬直性の要因となります。
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02
「メニュー・コスト」に関する問題です。メニュー・コストとは、商品のメニューの書き換えや、商品カタログの改訂等に係る費用が価格増加による利潤の増加より大きいならば、価格は上げるべきでなく固定的(硬直的)になるという理論を言います。
この内容にもとづいて選択肢の内容を検討します。
a SNSを利用したクーポンによってメニュー・コストは引き下げられます。価格増加による利潤の増加を超えるとは考えられないため、価格は硬直的になりません。
b 企業が優秀な人材を確保するために効率賃金(企業の均衡賃金を上回る賃金)を支払うと、その人材を企業内に囲い込むためにその賃金を支払い続けることになりますので、賃金は下方硬直的になります。
c 消費者の属性に応じて多様な価格設定を用意することは、メニュー・コスト増加の要因になります。したがって価格の硬直性の要因になります。
d 実質賃金よりも価格が下方硬直的である場合は、名目賃金の下方硬直性の要因となります。
「bとc」が正解ですので誤りです。
「bとc」が正解ですので誤りです。
正解です。
「bとc」が正解ですので誤りです。
メニュー・コストに関する問題でした。考え方を理解しておきましょう。
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03
価格や賃金の硬直性に関する問題です。解答群dの記述が正誤判断しづらいですが、解答群a~cが分かれば消去法で正答できます。
以下、誤りの解答群のみ解説します。
a.SNSを利用したクーポンは、メニュー・コストを引き下げるため、価格の硬直性の要因となる。
→SNSを利用したクーポンは、メニュー・コストを引き下げるため、価格の柔軟性の要因となります。
例えば、クーポンを使って880円→800円になれば価格が柔軟に変化するという意味です。
d.名目賃金よりも価格が下方硬直的であることは、実質賃金の下方硬直性の要因となる。
→価格よりも名目賃金が下方硬直的であることは、実質賃金の下方硬直性の要因となります。
実質賃金は名目賃金/物価により求めることができます。分母(物価)より分子(名目賃金)が下がりやすい場合は、実質賃金も下がりやすいです。
賃金が下がることは現実的ではありませんが、デフレ(物価が下がっている状態)の場合をイメージすると分かりやすいかも知れません。
物価の下落分>名目賃金の下落分=実質賃金は下がりにくい(下方硬直性である)
冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「bとc」であるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「bとc」であるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「bとc」であるため正解の選択肢となります。
冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「bとc」であるため不適切な選択肢です。
【補足】
解答群aが誤りと判断できれば選択肢が2つに絞られ、bまたはcが正しいと判断できれば、解答群dの正誤判断ができなくても消去法で正解することができます。
なお、解答群bは「効率賃金」の論点です。
解答群cが正しい理由として、価格設定が多すぎると店側のコスト管理が煩雑になり、価格を変えることが面倒になる(価格が硬直的になる)と考えられます。
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