中小企業診断士 過去問
令和2年度(2020年)
問12 (経済学・経済政策 問12)
問題文
a 家計が現金の保有性向を高め、現金・預金比率が大きくなると、貨幣乗数は大きくなる。
b 家計が現金の保有性向を高め、現金・預金比率が大きくなると、貨幣乗数は小さくなる。
c 日本銀行による債券の売りオペレーションは、マネタリー・ベースを増加させる。
d 日本銀行による債券の買いオペレーションは、マネタリー・ベースを増加させる。
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問題
中小企業診断士試験 令和2年度(2020年) 問12(経済学・経済政策 問12) (訂正依頼・報告はこちら)
a 家計が現金の保有性向を高め、現金・預金比率が大きくなると、貨幣乗数は大きくなる。
b 家計が現金の保有性向を高め、現金・預金比率が大きくなると、貨幣乗数は小さくなる。
c 日本銀行による債券の売りオペレーションは、マネタリー・ベースを増加させる。
d 日本銀行による債券の買いオペレーションは、マネタリー・ベースを増加させる。
- a と c
- a と d
- b と c
- b と d
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は4です。
マネーストックとは、日本銀行を含む金融部門から経済全体に供給されているお金の総量のことで、現金と預金の合計です。
マネタリー・ベースとは、日本銀行が世の中に直接的に供給するお金の総量のことで、現金と準備預金の合計です。
貨幣乗数とは、マネーストックがマネタリー・ベースの何倍であるかを表す比率で、以下の式で表されます。
貨幣乗数=マネーストック/マネタリー・ベース=現金+預金/現金+準備預金=現金・預金比率+1/現金・預金比率+預金準備率
この式より、現金・預金比率や預金準備率が大きくなると、貨幣乗数は小さくなります。
また、日本銀行が債権を買うことは、市場の通貨量が増えることになるため、マネタリー・ベースを増加させます。
各記述については、以下の通りです。
a→上記の通り、不適切です。
b→上記の通り、適切です。
c→上記の通り、不適切です。
d→上記の通り、適切です。
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02
貨幣供給に関する問題です。
貨幣乗数とは、貨幣供給量がマネタリーベース(現金+預金)の何倍であるかを示す乗数です。
家計が現金の保有性向を高めると、マネタリーベースが増加するため、貨幣乗数は小さくなります。
日本銀行による債券の買いオペレーションは、市場に現金・預金を放出するので、マネタリー・ベースを増加させます。
「bとd」が正解ですので誤りです。
「bとd」が正解ですので誤りです。
「bとd」が正解ですので誤りです。
正解です。
貨幣供給に関する問題でした。基本的な論点ですので、しっかり復習しましょう。
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03
貨幣供給に関する問題です。解答群の記述から、aまたはb、cまたはdのいずれかが正解であることが分かります。
以下、誤りの解答群のみ解説します。
a.家計が現金の保有性向を高め、現金・預金比率が大きくなると、貨幣乗数は大きくなる。
→家計が現金の保有性向を高め、現金・預金比率が大きくなると、貨幣乗数は小さくなります。(bが正解です)
現金・預金比率は現金/預金により求めることができます。
「現金・預金比率が大きくなる」と分子の現金が大きくなり(預金が小さくなる)、銀行が顧客に貸し出せる預金が減少するため、貨幣乗数は小さくなります。
c.日本銀行による債券の売りオペレーションは、マネタリー・ベースを増加させる。
→日本銀行による債券の売りオペレーションは、マネタリー・ベースを減少させます。
債券の売りオペレーションとは、日本銀行が国債などの債券を民間銀行に販売することです。
民間銀行に国債を売ってお金を回収するため、市中に出回るお金(マネタリー・ベース)は減少します。
(したがって、dの買いオペが正解です→ 民間銀行から国債を買い取ってお金を払うため、市中に出回るお金が増加する)
冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「bとd」であるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「bとd」であるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「bとd」であるため不適切な選択肢です。
冒頭の解説より、最も適切な組み合わせは「bとd」であるため正解の選択肢となります。
【補足】
解答群aとbで問われている貨幣乗数は、マネーストック(マネーサプライ)/マネタリーベースにより求められます。
貨幣乗数は信用乗数ともいい、貨幣乗数が大きいと銀行が顧客に貸し出せる預金も増加します。
銀行は、預金したい人からお金を預かります。
そして、預かったお金を別の顧客へ貸し出します。
顧客は、借りたお金に利子を上乗せして返済します。
貸し出せるお金が多いほど利子も多く取れるので、銀行にとっては貨幣乗数が大きい方が望ましいです。
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