中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
財務・会計 問25

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和2年度(2020年) 問25 (訂正依頼・報告はこちら)

モジリアーニとミラーの理論(MM理論)に関する記述として、最も適切なものはどれか。ただし、投資家は資本市場において裁定取引を円滑に行うことができ、負債にはリスクがなく、法人税は存在しないと仮定する。
  • PER(株価収益率)は、無借金の方が負債で資金調達するよりも小さくなる。
  • 企業の最適資本構成は存在し、それによって企業価値も左右される。
  • 企業の市場価値は、当該企業の期待収益率でキャッシュフローを資本化することによって得られ、資本構成に影響を与える。
  • 投資のための切捨率は、資金調達方法にかかわりなく、一意に決定される。

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この過去問の解説 (2件)

01

MM理論についての出題です。

MM理論とは、完全資本市場において、企業の資本構成がどうなっていようと、企業の価値に変動はないというものです。

完全資本市場とは、法人税がゼロ、情報取得コストがゼロ、商品の流動性が十分にある状態のことです。

1 間違いです。

株価収益率は、株価 ÷ 一株あたり当期純利益です。

無借金の方が負債で調達するより株価収益率は上がります。

2 間違いです。

法人税が存在しない場合、MM理論が成り立つ条件下では、株主資本と負債の割合が変わっても企業価値は変わりません。

3 間違いです。

企業の市場価値が資本構成に影響を与えることはありません。

4 正解です。

MM理論において資本コストは資本構成に影響しない、とありますので、投資のための切り捨て率は、資金調達方法に変わりなく一意(変化することなく)に決定されます。

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02

MM理論は、法人税が存在しない市場においては、企業価値はその資本構成に依存しないというものです。

選択肢1. PER(株価収益率)は、無借金の方が負債で資金調達するよりも小さくなる。

PER(株価収益率)は、無借金の方が負債で資金調達するよりも大きくなります。

選択肢2. 企業の最適資本構成は存在し、それによって企業価値も左右される。

法人税が存在しない市場においては、企業価値はその資本構成に依存しません

選択肢3. 企業の市場価値は、当該企業の期待収益率でキャッシュフローを資本化することによって得られ、資本構成に影響を与える。

企業価値はその資本構成に依存しません。

選択肢4. 投資のための切捨率は、資金調達方法にかかわりなく、一意に決定される。

正解の選択肢となります。

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