中小企業診断士の過去問 令和2年度(2020年) 企業経営理論 問1
この過去問の解説 (2件)
VRIOフレームワーク分析についての出題です。
フレームワークの意味を押さえておくことができていれば、解ける問題です。
VRIO 段階的に以下のこと考えます。
①Value(価値) → 経営資源には価値があるのか
②Rarity(希少性) → 希少性はあるのか
③Inimitability(模倣困難性)→ 模倣は困難か
④Organization(組織性) → 組織的に管理されているのか
① もX → 競争劣位
① までクリア → 競争均衡
①、② までクリア → 一時的競優位
①から③ までクリア → 持続的競争優位
①から④ までクリア → 経営資源の最大活用
1 間違い
競争均衡の源泉です。
2 間違い
持続的競争優位の源泉です。
3 正しい
業界内で希少であるが、模倣困難性があるので一時的競争優位の源泉です。
4 間違い
模倣困難性がないので、一時的競争優位の源泉です。
よって、正解は3です。
V(価値)・R(希少性)・I(模倣困難性)・O(組織)の4つの要件が自社組織に幾つ備わっているかで、競争優位性の程度を判断する問題になります。
1つも無ければ、競争劣位
1つだけある場合、競争均衡
2つある場合は、一時的な競争優位
4つ全て揃っていれば、持続的な競争優位
問われることが多いのは、一時的な競争優位か持続的な競争優位かを判断させるパターンです。以下、その観点で解説します。
「ある経営資源が数多くの企業に保有」されているということは、VRIOが一つも無い状態と考えられます。したがって、このような経営資源は一時的な競争優位の源泉にもなりません。
「経営陣のチームワークや従業員同士の人間関係などの組織属性」はVRIOのO(組織)を指していると思われます。他の3つの要件も備えているため、一時的ではなく持続的な競争優位の源泉となります。
正解の選択肢となります。(V=技術やノウハウ、R=業界内で希少である、の2つを備えている)
組織については言及がありませんが、模倣困難性は伴っていないと明記されていてVRIOの4つ全てが揃わないため、持続的な競争優位の可能性はありません。
VRIは揃っていると思われますが、「組織の方針や体制が整っていない」ため持続的な競争優位の源泉にはなりません。
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