中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
企業経営理論 問16
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和2年度(2020年) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
T.バーンズとG.M.ストーカーは、外部環境の不確実性がそれに適した組織内部の管理システムに影響を与えることを明らかにした。彼らは「機械的管理システム(mechanistic management system)」と「有機的管理システム(organic management system)」という2つのモデルを提唱した。
これらのモデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
これらのモデルに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 不確実性が高い環境下では、階層トップへの知識が集中し、階層構造を強化する有機的管理システムが有効である。
- 不確実性が高い環境下では、各タスクと全体状況や技術との関係が希薄な有機的管理システムが有効である。
- 不確実性が高い環境下では、タスクそのものや優れた仕事をしようとすることへのコミットメントが強い有機的管理システムが有効である。
- 不確実性が低い環境下では、横断的相互作用を通じたタスク間の調整を重視する機械的管理システムが有効である。
- 不確実性が低い環境下では、上司の指示や命令に支配された職務よりも、スタッフによる助言的内容のコミュニケーションが重視される機械的管理システムが有効である。
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この過去問の解説 (2件)
01
T.バーンズとG.M.ストーカーはイギリスの学者で、事業組織構造の研究を進めました。
官僚的な「機械的組織」と柔軟な「有機的組織」とに両極端な2つの定義を発表しました。
機械的vs有機的、官僚的vs柔軟というキーワードの対比がわかっていれば、設問をよく読むことで回答できると思います。
不確実性が高い環境下では、有機的組織が適しています。コンティンジェンシーに対応できるからです。
1 間違い
不確実性が高い環境下では、組織階層が官僚的でない、有機的組織が適します。
2 間違い
有機的組織では、各タスクと全体状況や技術との関係が強くなります。
3 正解
不確実性が高い環境下では、タスクそのものや優れた仕事をしようとすることへのコミットメントが強い有機的管理システムが有効です。
4 間違い
機械的組織では、官僚的でありピラミッド構造となっていますので、組織横断的相互作用は起きにくい組織となります。
5 間違い
機械的組織は官僚的ですので、上司の指示や命令に支配されます。
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02
「機械的管理システム(mechanistic management system)」安定した環境下で有効に作用する
→定型的作業、明確な組織構造と指揮命令系統など、タテの組織図のイメージです。
「有機的管理システム(organic management system)」不安定な環境下で有効に作用する
→緊密なコミュニケーション、都度調整の必要があるなど、ヨコの組織図(部門横断的)のイメージです。
階層トップへの知識が集中し、階層構造を強化する場合は機械的管理システムが有効です。したがって、安定した環境下で有効に作用します。
不確実性が高い環境下では、各タスクと全体状況や技術との関係は「希薄」ではなく「緊密」であることが必要になります。有機的管理システムが有効であることは正しいです。
正解の選択肢となります。
不確実性が低い環境下なので機械的管理システムであることは正しいですが、タスク間の調整は重視されません。
本選択肢の環境は、不確実性が高い環境下であると考えられます。したがって、有機的管理システムが有効です。
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