中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
企業経営理論 問30
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和2年度(2020年) 問30 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
中小企業のX社では、同社が数年間にわたって取り組んできた、温室効果ガスを一切排出しない新しい小型電動バイクの開発が、最終段階を迎えていた。同社で
は、この新製品を①小型バイク市場または電動アシスト自転車市場等のどのようなセグメントに向けて発売するかについて検討を重ねていた。同時に、②これらの市場においてどのような価格で販売するのがよいかについても、そろそろ決定する必要があった。
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
中小企業のX社では、同社が数年間にわたって取り組んできた、温室効果ガスを一切排出しない新しい小型電動バイクの開発が、最終段階を迎えていた。同社で
は、この新製品を①小型バイク市場または電動アシスト自転車市場等のどのようなセグメントに向けて発売するかについて検討を重ねていた。同時に、②これらの市場においてどのような価格で販売するのがよいかについても、そろそろ決定する必要があった。
文中の下線部②に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- X社は、小型電動バイクの開発に要した数年にわたる多大な費用を早期に回収するため、初期価格を高く設定すると同時に多額の広告費を集中投入して、短期間に市場から利益を得る市場浸透価格戦略を採用することにした。
- X社は、小型電動バイクの発売に当たり、性能の差により下からA、B、C、Dの4モデルを検討していた。モデル間の性能差は実際には大きくないが、消費者に最上位モデルであるDの品質をより高く知覚してもらうため、モデルAからCまでは小刻みの価格差、CとDの間にはやや大きめの価格差を設定した。
- あらかじめプロトタイプのテストを繰り返し、最終的に販売を想定した製品のコストに基づいて価格を決める「ターゲット・コスティング」の方法で価格を設定した。
- 小型バイク市場では、非常に多くの競合企業間で激しい競争が展開されているため、売り手であるX社だけでなく、買い手である多くのユーザーも市場価格に対する極めて大きな影響力をもつ。
- ユーザーが製品やサービスのベネフィットに対して支払ってもよいと考える対価をベースに設定されるさまざまな価格設定方法を、一般にコストベース価格設定と呼ぶ。
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この過去問の解説 (2件)
01
マーケティングのプライシングに関する出題です。
プライシングとは企業が自社製品やサービスに価格を設定することです。
企業は売り上げが最大化するように、さまざまな方法のプライシングを行います。
選択肢の中から「最も適切なもの」を選択します。
1.誤っている。
「初期価格を高く設定すると同時に多額の広告費を集中投入して、短期間に市場から利益を得る」のは「スキミング・プライシング(上澄み価格戦略)」の説明です。
「市場浸透戦略」は「ペネトレイション戦略」とも呼ばれ、初期段階での価格設定を低くし、短期間で高いシェアを取りにいく場合などに採用される戦略となります。
2.正しい。
プライシングの方法としては記述は有効であるといえます。
3.誤っている。
記述は「コストベース価格設定」の説明となります。
4.誤っている。
売り手・買い手の交渉力はいずれも価格設定を行う上での重要な要素の1つにはなりえますが、すでに多くの競合企業間で激しい競争が展開されている状況においては、それが極めて大きな影響力を持つとまでは言えません。
5.誤っている。
記述は「需要志向価格決定法」の説明となります。
よって、選択肢2.が正答となります。
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02
市場選択と価格に関する出題です。
各選択肢については、以下のとおりです。
1 :誤りです。
市場浸透価格戦略は、最初に価格を低く設定してマーケットを拡大する方法です。
2 :正解です。
問題文の通りです。
3 :誤りです。
ターゲット・コスティングとは、まず、販売を想定した製品の価格を決めるという戦略です。
4 :誤りです。
非常に多くの競合企業間で競争がされている場合、売り手や買い手が市場価格に与える影響力は小さいものになります。
5:誤りです。
コストベース価格とは、販売を想定した製品のコストに基づいて価格を決める方法です。
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