中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
企業経営理論 問35
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和2年度(2020年) 問35 (訂正依頼・報告はこちら)
消費者と社会的アイデンティティに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 感覚や好みに基づいて選択される場合と異なり、専門的知識が必要な製品やサービスに関しては、消費者は属性や価値観が自分と類似している他者の意見やアドバイスを重視する。
- 自己アイデンティティを示すため、消費者は拒否集団をイメージさせるブランドの選択を避ける傾向がある。この傾向は、他者から見られている状況において行う選択よりも、見られていない状況において行う選択で顕著に強くなる。
- 自己概念において社会的アイデンティティが顕著になっている場合、自分が所属している内集団で共有される典型的な特徴を支持するようになる一方、自分が所属していない外集団すべてに対して無関心になる。
- 自分に影響を与えようとする意図をもった他者が存在する場合、消費者の行動はその他者から強く影響を受ける一方で、単にその場にいるだけの他者からは、影響を受けることはない。
- 自分に対する他者からの否定的な評価を避け、肯定的な評価を形成していこうとする欲求は自己高揚と呼ばれる。自己高揚のレベルが高い消費者は、自分の所属集団よりも、願望集団で使用されているブランドとの結びつきを強める傾向がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
消費者と社会的アイデンティティに関する出題です。
「社会的アイデンティティ」とは、自身が何者であるかの答えを、自身が所属する組織や集団に求めることです。
選択肢の中から「最も適切なもの」を選択します。
1.誤っている。
消費者が「属性や価値観が自分と類似している他者の意見やアドバイスを重視する」のは「感覚や好みに基づいて選択する」場合です。
「専門的知識が必要な製品やサービスに関して」選択をする場合は、感覚や好みよりもそれに関する知識を持った他者の意見やアドバイスに基づいて選択するはずです。
2.誤っている。
自己アイデンティティを示すために「拒否集団をイメージさせるブランドの選択を避ける傾向」は、他者から見られている状況で、より強いものとなります。
3.誤っている。
「外集団すべてに対して無関心になる。」が誤りです。必ずしも無関心になるというわけではなく、自身が所属する内集団に対して過度な仲間意識が働くことで、外集団に対して差別意識が芽生えたり、批判的・攻撃的になったりすることもあります。
4.誤っている。
「自分に影響を与えようとする意図をもった他者」が存在している場合でも、その他者に対する共感がなければ影響を受けることはありません。また、反対に「単にその場にいるだけの他者から」も影響を受けることはあります。
5.正しい。
「願望集団」とはある人にとっての憧れとなる集団のことです。自己高揚のレベルが高い消費者は、「願望集団で使用されているブランドとの結びつきを強める傾向」があり、正しい記述です。
よって、選択肢5.が正答となります。
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02
消費者と社会的アイデンティティに関する出題です。
各選択肢については、以下のとおりです。
1 :誤りです。
属性や価値観が自分と類似している他者の意見を重視するのは、感覚や好みに基づいて選択されるサービスの方が多いです。
2 :誤りです。
拒否集団をイメージさせるブランドの選択を避ける傾向は、他者から見られている状況において強く働きます。
3 :誤りです。
外集団に対して敵意や競争心が働く状態であり、無関心になる訳ではありません。
4 :誤りです。
単にその場にいるだけの他者からも、一定の影響を受けます。
5:正解です。
その通りです。
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03
消費者と社会的アイデンティティに関する問題です。
各選択肢の記述量が多いですが、正答することは十分に可能です。
専門的知識が必要な場合と異なり、感覚や好みに基づいて製品やサービスが選択される場合は、消費者は属性や価値観が自分と類似している他者の意見やアドバイスを重視します。
自己アイデンティティを示すため、消費者は拒否集団をイメージさせるブランドの選択を避ける傾向があります。この傾向は、他者から見られていない状況において行う選択よりも、見られている状況において行う選択で顕著に強くなります。
自己概念において社会的アイデンティティが顕著になっている場合、自分が所属している内集団で共有される典型的な特徴を支持するようになる一方、自分が所属していない外集団すべてに対して無関心になるということはありません。
本選択肢では「外集団すべてに対して無関心になる」という100%否定表現が用いられていますが、このような表現に違和感を感じて選択肢から排除することができれば十分です。
自分に影響を与えようとする意図をもった他者が存在する場合、消費者の行動はその他者から強く影響を受ける一方で、単にその場にいるだけの他者からは、影響を受けることはないということはありません。
本選択肢では「影響を受けることはない」という100%否定表現が用いられていますが、このような表現に違和感を感じて選択肢から排除することができれば十分です。
正解の選択肢となります。
【補足】
本問で「自分に影響を与えようとする意図をもった他者」という表現がみられる選択肢がありますが、このような他社もしくは集団を準拠集団といいます。用語も併せて覚えておきましょう。
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