中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
企業経営理論 問38
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和2年度(2020年) 問38 (訂正依頼・報告はこちら)
ソサイエタル・マーケティングに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 「啓発された自己利益(enlightened self-interest)」の考え方のもとで行われる社会貢献活動であるため、長期的あるいは間接的にも企業やブランドのイメージ、ブランド・ロイヤルティといったマーケティング成果への効果は期待されていない。
- 消費者の長期的な利益あるいは社会的利益に配慮してマーケティングを行うということだけでなく、それを企業の長期的な経営計画と統合することを目指すマーケティングはサステイナブル・マーケティングと呼ばれるが、これとソサイエタル・マーケティングは同義で使われている。
- 製品の売上の一定額を社会的課題の解決のために寄付する行為はコーズリレーテッド・マーケティングとも呼ばれ、実務において社会的価値と密接に結びつけられたソサイエタル・マーケティングの一部である。
- 病院、大学、協会、NGOなどの非営利組織で培われた考え方を営利組織にも適用したマーケティングである。
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この過去問の解説 (3件)
01
ソサイエタル・マーケティングに関する出題です。
「ソサイエタル・マーケティング」とは「ソーシャル・マーケティング(社会的な観点でのマーケティング)」を基本概念とし、それをコンセプト化したものです。
「ソーシャル・マーケティング」は従来の顧客満足と企業利益のみを追求した短期的で視野狭窄的なマーケティングに公共の利益という長期的で社会的な視点をプラスしたもので、顧客、顧客以外の人、環境への影響までをも考慮に入れた長期計画を企業が策定・立案・実行することで、ひいてはそれが企業価値向上(ブランドの向上)に繋がるというものです。
選択肢の中から「最も適切なもの」を選択します。
1.誤っている。
「ソサイエタル・マーケティング」は上述したように企業価値向上に繋がります。
2.誤っている。
サステイナブルとは持続可能を意味します。
目先の利益のみに囚われず、環境・社会が良い状態で持続できるよう、社会問題を解決する製品の開発・供給への取り組みが企業の差別化に繋がり、ひいては企業の長期的な利益へと繋がるという考え方であり、必ずしもソサイエタル・マーケティングと同義ということではありません。
3.正しい。
「コーズリレーテッド・マーケティング」に関する正しい記述です。
4.誤っている。
マーケティングの概念を非営利組織にも導入しようという考え方はソーシャル・マーケティングの1つです。非営利組織のノウハウを営利組織へ適用することではありません。
よって、選択肢3.が正答となります。
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02
企業の社会的影響力を考慮しつつ行う具体的マーケティング活動である、ソサイエタル・マーケティングに関する問題です。
各選択肢については、以下のとおりです。
1 :誤りです。
マーケティング成果への効果も期待できます。
2 :誤りです。
サステイナブル・マーケティングとは、持続可能性を重視する考え方でソサイエタル・マーケティングと同義ではありません。
3 :正解です。
その通りです。
4 :誤りです。
ソーシャルマーケティングに関する記述です。営利組織で培われた考え方を非営利組織にも適用したマーケティングです。
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03
ソサイエタル・マーケティングに関する問題です。
ソサイエタル・マーケティングとは、企業の社会的影響力を考慮しながら行われるマーケティング活動をいい、社会的利益を考慮したマーケティングです。
冒頭の解説にあるように、ソサイエタル・マーケティングとは社会的利益を考慮しているため、長期的あるいは間接的にも企業やブランドのイメージ、ブランド・ロイヤルティといったマーケティング成果への効果が期待されています。
サステイナブル・マーケティングと、ソサイエタル・マーケティングは同義ではありません。
サステイナブル・マーケティングは、本選択肢の記述にあるように長期的に消費者と企業双方のニーズを満たすものである一方、ソサイエタル・マーケティングは冒頭の解説にあるように企業目線でのマーケティングです。
両者の考えが似ている部分もありますが、最も適切な選択肢が他にあるため本問では不適切な選択肢の扱いとなります(同義ではない、という理解で十分です)。
正解の選択肢となります。
冒頭の解説にあるように、ソサイエタル・マーケティングとは社会的利益を考慮しているため、非営利組織で培われた考え方を営利組織にも適用したマーケティングではありません。
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