中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
企業経営理論 問41
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和2年度(2020年) 問41 (訂正依頼・報告はこちら)
次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
サービス・マーケティング研究は、①顧客満足研究と相互に影響しあいながら新しい考え方を生み出してきた。市場の成熟化にともない②経済のサービス化が進む中、顧客満足を追求する企業のマーケティング手法にも、新しい発想が求められている。
文中の下線部②に関して、サービス・マーケティングにおいて注目されているサービス・ドミナント・ロジックに関する記述として、最も適切なものはどれか。
サービス・マーケティング研究は、①顧客満足研究と相互に影響しあいながら新しい考え方を生み出してきた。市場の成熟化にともない②経済のサービス化が進む中、顧客満足を追求する企業のマーケティング手法にも、新しい発想が求められている。
文中の下線部②に関して、サービス・マーケティングにおいて注目されているサービス・ドミナント・ロジックに関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 近年のサービス・ドミナント・ロジックに基づく製品開発においては、他社の技術や部品を採用したり、生産や設計のアウトソーシングを進めたりして、製品の機能やデザイン面の価値を高めることを重視している。
- サービス化の進展は、サービス・エンカウンターにおいて高度な顧客対応能力を有する従業員の必要性を高めている。しかしながら、売り手と買い手の協業によって生産される価値はサービス財より低いため、製造業においてはインターナル・マーケティングは必要ない。
- 製造業では、商品におけるモノとサービスを二極化対比することによって、モノとは異なるサービスの特性を明らかにし、サービスの部分で交換価値を最大化する方向を目指すべきである。
- 製造業は、製品の使用価値を顧客が能動的に引き出せるようにモノとサービスを融合して価値提案を行うことが望ましい。例えば、顧客に対して、コト消費を加速させる製品の使用方法を教育するイベントを開催したり、その情報を積極的に発信したりすることなどである。
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この過去問の解説 (3件)
01
サービス・ドミナント・ロジックに関する出題です。
「サービス・ドミナント・ロジック」とは、企業の経済活動のすべてをサービスとして考え、価値共創の視点からマーケティングを組み立てる考え方のことです。
価値共創とは企業と顧客が一緒になってそのサービス(事業・製品)の価値を最大化することです。
選択肢の中から「最も適切なもの」を選択します。
1.誤っている。
上述の通り、製品をもサービスとして捉える考え方です。「製品の機能やデザイン面の価値を高めることを重視している。」という部分が不適切です。
2.誤っている。
「売り手と買い手の協業によって生産される価値はサービス財より低い」ということはありません。また、製造業においてもインターナル・マーケティングは有効です。
「インターナル・マーケティング」とは従業員に対してのマーケティング活動のことです。従業員の要望を満たしてやる気をもって働いてもらうことでそれがサービスや製品の品質向上に寄与し、ひいては顧客満足度の向上に繋がるという考え方です。
3.誤っている。
上述の通り、「サービス・ドミナント・ロジック」とは企業の経済活動のすべてをサービスとして考えます。二極化対比するものではありません。
4.正しい。
価値共創を促進するための施策で正しい記述といえます。
よって、選択肢4.が正答となります。
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02
サービス・ドミナント・ロジックに関する出題です。
サービス・ドミナント・ロジックとは、事業や製品販売といった経済活動をすべて「サービス」として捉え、顧客と共に価値を創造していくという考え方です。
各選択肢については、以下のとおりです。
1:誤りです。
サービス・ドミナント・ロジックとは、製品の機能やデザイン面の価値を高めることを重視しているという考え方ではありません。
2:誤りです。
インターナルマーケティングとは、従業員満足度をあげるために社内の人たちに向けたマーケティングです。製造業においてもインターナル・マーケティングは必要です。
3:誤りです。
商品におけるモノとサービスを二極化対比する考え方ではありません。
4:正解です。
その通りです。
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03
サービス・ドミナント・ロジックに関する問題です。
サービス・ドミナント・ロジックが分からなかったとしても、各選択肢の日本語の記述だけでも正答することは十分可能です。
他社の技術や部品を採用したり、生産や設計のアウトソーシングを進めたりすることで、製品の機能やデザイン面の価値を高めることにはつながりません。
売り手と買い手の協業によって生産される価値はサービス財より低いとはいえません。
また、製造業においてはインターナル・マーケティングは必要ないことはなく、むしろインターナル・マーケティングを行なうことで売り手と買い手の協業によって生産される価値を高めることができます。
商品におけるモノとサービスを二極化対比することではなく、モノとは異なるサービスの特性を明らかにすることでもなく、サービスの部分で交換価値を最大化する方向を目指すべきでもありません。
モノとサービスを分けて考えるのではなく、モノとサービスを組み合わせることで交換価値を最大化する方向を目指すべきです。
正解の選択肢となります。
【補足】
サービス・ドミナント・ロジックとは、すべての企業活動をサービスとしてとらえる考え方です。企業はモノやサービスを通じて、顧客に価値を提供すると考えます。その価値は企業から一方的に提供されるのではなく、モノやサービスの利用を通じて顧客が得られる体験や経験を重視することが最大の特徴です。
本問では問われていませんが、「企業から一方的に提供される価値」はプロダクトアウト志向の製品・サービス開発であるともいえます。
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