中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
運営管理 問20
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 運営管理 令和2年度(2020年) 問20 (訂正依頼・報告はこちら)
設備総合効率に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 作業方法を変更して段取時間を短縮すると、性能稼働率が向上する。
- 設備の立ち上げ時間を短縮すると、時間稼働率が低下する。
- チョコ停の総時間を削減すると、性能稼働率が向上する。
- 不適合率を改善すると、性能稼働率が低下する。
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この過去問の解説 (3件)
01
「設備総合効率」に関する記述のうち「最も適切なもの」を選択します。
設備総合効率とは、生産設備の稼働効率を表す指標のことです。設備総合効率は、①時間稼働率(設備が利用できる時間のうち、どれだけ稼働しているか)、②性能稼働率(稼働している時間のうち、どれだけ加工しているか)、③良品率(加工している時間のうち、どれだけ良品を生産しているか)、の3点を掛け合わせたものです。つまり、設備を使える時間のうちどれだけ稼働させており、そのうちどれだけ加工してどれだけ良品だったのかを表す指標です。数値が高いほど、設備を効率的に使用することができていることがわかります。
選択肢1 作業方法を変更して段取時間を短縮すると、性能稼働率が向上する。
段取時間とは、設備を使って加工する際に材料を補充したり部品を入れ替えたりする時間のことです。この時間を短縮すると、加工と加工の間の時間が短縮されるため、稼働できる時間が増えます。そのため上記の①~③のうち、①の時間稼働率が改善します。設問文では②の性能稼働率が向上するとしているため、不適切であると判断できます。
選択肢2 設備の立ち上げ時間を短縮すると、時間稼働率が低下する。
設備の立ち上げ時間を短縮すると、設備を稼働できる時間が増えます。そのため上記の①~③のうち、①の時間稼働率が改善します。設問文では時間稼働率が低下するとしているため、不適切であると判断できます。
選択肢3 チョコ停の総時間を削減すると、性能稼働率が向上する。
チョコ停とは、何らかのトラブルにより数分から数十分レベルで生産が停止することを指します。これは、設備は稼働しているが、加工していない時間に相当します。そのため、チョコ停の総時間を削減すると上記の①~③のうち、②の性能稼働率が改善します。よって、設問文は適切であると判断できます。
選択肢4 不適合率を改善すると、性能稼働率が低下する。
不適合率とは、生産したもののうち基準を満たしていないものの割合のことを指します。つまり不良品の割合のことです。そのため、不適合率を改善すると上記の①~③のうち、③の良品率が改善します。設問文では②の性能稼働率が低下するとしているため、不適切であると判断できます。
よって、最も適切な選択肢は3であると判断できます。
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02
設備総合効率に関する出題です。
「設備総合効率」は、計画停止などを除いた負荷時間(設備を利用できる時間)に対する価値稼働時間(良品を生産するために要した時間)の割合のことで、次のような式で表すことができます。
設備総合効率 = 時間稼働率 × 性能稼働率 × 良品率
この数値が高いほど稼働効率が優れていることになります。
「時間稼働率」は負荷時間(設備を利用できる時間)に対する稼働時間(設備が稼働していた時間)の割合のことで、次のような式で表すことができます。
時間稼働率 = 稼働時間 ÷ 負荷時間 × 100% = (負荷時間-停止時間) ÷ 負荷時間 × 100%
稼働時間は負荷時間から停止ロスを引いたものです。
「停止ロス」には7大ロスの中の「故障」「段取り・調整」「刃具交換」「立ち上がり」が含まれます。
「性能稼働率」は稼働時間(設備が稼働していた時間)に対する正味稼働時間(実際に製品を加工した時間)の割合のことで、次のような式で表すことができます。
性能稼働率 = 正味稼働時間 ÷ 稼働時間 × 100% = 基準サイクルタイム × 加工数量 ÷ 稼働時間 × 100%
正味稼働時間は稼働時間 - 性能ロスと表現することができ、基準サイクルタイム(製品1つを加工するための時間)に加工された製品の数量を乗じることで求めることができます。
「性能ロス」には7大ロスの中の「速度低下」「空転・チョコ停」が含まれます。
「良品率」は正味稼働時間(実際に製品を加工した時間)に対する価値稼働時間(良品を生産するために要した時間)の割合のことで、次のような式で表すことができます。
良品率 = 価値稼働時間 ÷ 正味稼働時間 × 100% = (加工数量 - 不良数量) ÷ 加工数量 × 100%
良品率は時間を数量に置き換え、加工した数量全体に対して良品はいくつであったかを知ることで求めることができます。
言い換えれば正味稼働時間から不良ロスを引いたもので、「不良ロス」は7大ロスの中の「不良・手直し」のことです。
上記を踏まえて、選択肢の中から「最も適切なもの」を選択します。
選択肢1. ・・・ 誤っている。
上記の通り、段取り時間を短縮すると停止ロスが短縮され、「時間稼働率」が向上します。
選択肢2. ・・・ 誤っている。
上記の通り、立ち上げ時間を短縮すると停止ロスが短縮され、「時間稼働率」が「向上」します。
選択肢3. ・・・ 正しい。
上記の通り、チョコ停の総時間を削減すると性能ロスが削減され、「性能稼働率」が向上します。
選択肢4. ・・・ 誤っている。
上記の通り、不適合率つまり不良品率を改善すると「良品率」が向上します。
よって、選択肢3.が正答となります。
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03
設備総合効率に関する問題です。
各選択肢の日本語の記述だけで正答できる、ボーナス的な問題です。
作業方法を変更して段取時間を短縮すると、時間稼働率が向上します。
設備の立ち上げ時間を短縮すると、時間稼働率が向上します。
正解の選択肢となります。
不適合率を改善すると、良品率が向上します。
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