中小企業診断士の過去問
令和2年度(2020年)
経営法務 問4

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 令和2年度(2020年) 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

民法においては、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をする「限定承認」が定められている。
この限定承認に関する記述として、最も適切なものはどれか。
なお、本問においては、法定単純承認事由は発生しておらず、また、相続放棄者、相続廃除者、相続欠格者はおらず、遺産分割協議は成立していないものとする。
  • 限定承認者は、限定承認に関する公告期間の満了前であっても、主要な相続債権者及び遺贈者に対しては一切弁済を拒むことはできず、これらの者から請求があれば、相続財産を超える部分についても、その全額を弁済しなければならない。
  • 限定承認者は、限定承認をしたあと1年以内であれば、その理由を問わず、撤回することができる。
  • 限定承認は、家庭裁判所において伸長がなされない限り、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければならない。
  • 限定承認は、相続人が数人あるときであっても、共同相続人のうち一人が単独で行わなければならず、共同相続人の全員が共同して行うことはできない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、3.です。


1.誤りです。限定承認に関する公告期間満了前は、相続債権者および受遺者に対して弁済を拒むことができます。逆に公告期間内に弁済を行うことで他の相続債権者、受遺者に対して損害を与えた場合はこれを賠償する必要があります。


2.誤りです。相続の選択(単純承認、限定承認、相続放棄)は、一度選択すると、撤回できません。


3.正しいです。相続の選択を行う場合の”熟慮期間”として3ヶ月の猶予期間が設けられており、家庭裁判所に申請することで伸長することが可能です。


4.誤りです。限定承認は共同相続人の全員で共同して行わなければなりません。

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02

相続における限定承認に関する問題です。

選択肢1. 限定承認者は、限定承認に関する公告期間の満了前であっても、主要な相続債権者及び遺贈者に対しては一切弁済を拒むことはできず、これらの者から請求があれば、相続財産を超える部分についても、その全額を弁済しなければならない。

不適切です。

限定承認に関する公告期間の満了前であれば、主要な相続債権者及び遺贈者に対して弁済を拒むことができます。

選択肢2. 限定承認者は、限定承認をしたあと1年以内であれば、その理由を問わず、撤回することができる。

不適切です。

限定承認をした場合は、原則として撤回することはできません。

選択肢3. 限定承認は、家庭裁判所において伸長がなされない限り、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければならない。

適切です。

選択肢4. 限定承認は、相続人が数人あるときであっても、共同相続人のうち一人が単独で行わなければならず、共同相続人の全員が共同して行うことはできない。

不適切です。

限定承認は、共同相続人全員で行う必要があります。

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03

限定承認に関する問題です。

選択肢1. 限定承認者は、限定承認に関する公告期間の満了前であっても、主要な相続債権者及び遺贈者に対しては一切弁済を拒むことはできず、これらの者から請求があれば、相続財産を超える部分についても、その全額を弁済しなければならない。

限定承認者は、限定承認に関する公告期間の満了前は、相続債権者及び遺贈者に対して弁済を拒むことができます

 

そもそも、自身が相続によって承継する財産もしくは負債の限度額のみを承認することが限定承認であるため、「相続財産を超える部分についても、その全額を弁済しなければならない」のであれば限定承認の意味がありません。

選択肢2. 限定承認者は、限定承認をしたあと1年以内であれば、その理由を問わず、撤回することができる。

限定承認者は、限定承認をしたあと6か月以内であれば撤回することができます。

 

また、「理由を問わず」という記述は誤りです。

選択肢3. 限定承認は、家庭裁判所において伸長がなされない限り、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければならない。

正解の選択肢となります。

選択肢4. 限定承認は、相続人が数人あるときであっても、共同相続人のうち一人が単独で行わなければならず、共同相続人の全員が共同して行うことはできない。

限定承認は、相続人が数人あるときであっても、共同相続人の全員が共同して行うことが必要になります。

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